【J特】最後の新聞「エル・ゴラッソ」ができるまで

【11/02/14追記】
ネット全盛の時代にあえて「紙の新聞」を創刊した男の“体験的メディア論”(日経BP社 BizCOLLEGE書評)

日本で唯一のサッカー専門新聞「エル・ゴラッソ」。

インターネットやモバイル端末に押され紙媒体が衰退していく中、なぜこのような特殊な新聞が創刊でき、駅売店やコンビニなどメジャーな流通に乗ったのか、そしてさらに販路を拡大して出版され続けているのか。以前より奇跡的と考え、とても不思議に思っていましたが、その謎を一気に解消してくれる本『「最後」の新聞』が出版されました。創業者の山田さんが創刊までの数々の障害に立ち向かう様子に加え、綿密に計算されたコンテンツ、デザイン、販売手法などを明かしています。なかでも新聞即売会社との交渉におけるやりとり(42~54ページ)は、まさに能田先生の「オーレ!」の主人公、中島が、資産家大河原氏に「公務員を辞めろ」と迫られたところにもろにかぶります。

中島:「大河原さんに言われたんです。自分自身を賭けられないモノに人を巻き込むな・・・・・・と」
「そして人は理念のために動くのではなくその理念を体現した人間のために動くのだと―――」

エルゴラを購読されている方でなくとも、サッカーメディアに興味を持たれている方にお勧めの書籍です。

当会では「図書館からスタジアムへ行こう!!スタジアムから図書館へ行こう!!」キャンペーンを実施している全国の図書館の方々から昨年末、これからの動きについてご相談を受けましたので、二つご提案しました。

  • 図書館のウェッブサイトのトップページからJ’s Goalにバナーリンクを張っていただくこと
    (手法は異なりますが、J’s Goalというメディアがあること自体も奇跡だと思っています。
     スタジアムの感動を!J’s GOALの熱き挑戦 )
  • 「エル・ゴラッソ」を定期購読し、一般閲覧に供していただくこと

特に、エルゴラが店頭販売されていない地域では配送が二日遅れにはなってしまいますが、エルゴラが読める場所があることが肝要と考えました。早速、愛媛県立図書館ではご担当者が動いて下さり、一般閲覧が開始されました。(配送されてから受入作業を経るため、発行後4~5日ほど経ってからのご提供になるそうです。)その他の図書館でも閲覧可能になりましたらこちらでご紹介してまいります。なお同時に愛媛県立図書館の関連ページからJ’s Goalトップページへのリンクも張られました。
愛媛プロスポーツアーカイブズ

店頭販売されていない愛媛では、有志が2006年より宅配で翌日届くように50部一括購入し、愛媛FCサポートショップ「オレンジスポット」や愛媛FCの試合会場のショップで販売をする試みを行っていました。これは店頭販売されるところまである程度読者が増えれば、という目論見で行われたものでしたが、さすがに50部はさばくことができず、その後は2日遅れとなる郵便による購読で10部仕入れ、オレンジスポットと試合会場のショップで販売を続けています。是非、お立寄りの際には手にとって「お金を払って買う価値のある」情報をご覧になって下さい。

「最後」の新聞 ~サッカー専門紙「エル・ゴラッソ」の成功~ (ワニブックスPLUS新書)

「エル・ゴラッソ」 定期購読のご案内