スタジアム

愛媛新聞コラム:スタジアム-球技専用に観戦の妙味(11.09.17)
スタジアムの問題でJ1昇格が出来ないと思われるクラブについて(11.08.21)
Jリーグ、ライセンス制13年導入、クラブ経営、厳しく審査、3年連続赤字で剥奪。(11.05.31)
「解く追う:クラブライセンス対応」(11.05.30)
『中村知事から「(候補地となる)場所を含めて検討したい」』(11.05.29)
平成23年度 愛媛県の当初予算案(11.02.20)
パブリックコメント:愛媛県スポーツ振興計画(改訂案)に対する意見の募集について(11.01.17)
スタジアムの種類(専スタ/陸上競技場等)による違い(11.01.16)
自治体の財政状況(財政健全化指標)(10.12.28)
「アクセスランク」と「来場者数」、「周辺人口」と「来場者数」の相関(10.12.09)
各クラブ主要スタジアムのアクセスを比較!(10.12.02)
北九州市長がギラヴァンツ本拠地発表(10.11.19)
天然芝と人工芝の混合ピッチとは(10.11.08)
県営サッカー場 伊勢崎市長 誘致名乗り 群馬(10.11.03)
2010千葉国体開会式および改修された陸上競技場の観察(10.10.06)
松山市スポーツ振興計画(案)に伴う市民の意見公募へのご回答(10.09.22)
FC町田ゼルビア、予想外の“失格” 競技場さらに改修必要(10.09.08)
松山市スポーツ振興計画(案)に伴う市民の意見公募について(10.07.30)
松山市市議選立候補者の方々へのアンケートの結果が新聞記事に! (10.05.25)
松山市市議選立候補者の方々へのアンケートの結果公表 (10.05.18)
広島サッカー専用スタジアム構想委員会
中央公園の観察(10.04.19)
Jリーグのスタジアム基準とは? (10.04.16)
松山市市議選立候補者の方々へのアンケートについて(10.04.13)
パブリックコメントの回答が公表されました(10.04.06)
公の施設(指定管理者施設)のあり方の見直し(案)に対する意見の募集について(10.3.28)
【スタジアム問題全般に関する情報と考察】
  まえがき
  現スタジアムの問題点:
  国体との関係:
  新球技場を:
---以下資料---
  スタジアムの立地環境:
  2017年 ‐ えひめ国体:
  開会式会場について:
  第1種公認陸上競技場について:
  交通渋滞の問題:
  他県での国体開催状況・予定とメイン競技場:
  芝生の貼り替え問題/スタンド改修工事中の開催:
  新スタジアム構想:
  3つの候補地:
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愛媛新聞コラム:スタジアム-球技専用に観戦の妙味(11.09.17)
愛媛新聞がまさに的を得た記事を書いて下さいました。我々がフクアリで一緒に活動させていただいた県のご担当の方々も一様に「このスタジアムがあったら世の中変わりますねえ」と仰っていました。是非、首長さん、議員の皆さんには専スタにお出かけいただきたく。

コラム:フリーキック えひめ  
 これまで全国のスタジアムに足を運んだ中で、忘れられない場所がある。J1柏のホーム、日立柏サッカー場。収容数約1万6千人と小規模ながら客席とピッチが近く、選手の息づかいまで伝わる臨場感に引き込まれた。また来たいと後を引く、数少ない非日常の空間だった。
 Jリーグ公認ファンサイト「Js Goal」でサポーターが投票するスタジアム総合ランキングでは、首位のユアテックスタジアム仙台(J1仙台)以下、ベスト10に八つの球技専用スタジアムが並ぶ。
 一方、陸上トラック併設の陸上競技場は立地が良いkankoスタジアム(J2岡山)の6位以外は軒並み”苦戦”。本県の県総合運動公園ニンジニアスタジアムは53位と厳しい評価となっている。
 施設がよければ全てよしとは思わないが、集客面でスタジアム環境は大きな要素を占める。1997年に完成した仙台のユアスタは専用球技場であることに加え、全座席を覆う屋根も完備。雨天でも快適に観戦ができる上、応援や歓声が反響して増幅する「プラス効果」も体感できる。
 さらにうらやましいのは、地下鉄駅から至近距離の交通条件の良さ。仙台のクラブ幹部は以前、
「一番の集客ターゲットの子どもが一人でも安心して来場できる環境を得たのも、入場者を増やせた要因」と話していた。
 隣の芝生は青く見えるものだけれど、指をくわえてばかりもいられない。愛媛FCにとってスタジアム問題は今やJ1昇格への最大のネック。J2加盟時にも競技場の設備面の不備などが壁となったが今回、Jリーグ側はアクセス面を問題視しており、ニンスタは実質「ノー」を突きつけられた格好。
 もちろん新設スタジアムの実現が容易でないことは百も承知。ただ是非を判断する前にぜひ、専用スタジアムでの観戦をおすすめしたい。サッカーの本来あるべき姿がそこにはある。

スタジアムの問題でJ1昇格が出来ないと思われるクラブについて(11.08.21)
本日対戦する北九州が昇格圏に近い順位(特に来期プレーオフを勘案すると)にあることで、以下のように、「スタジアムに問題があるため順位条件を満たしてもJ1に昇格出来ない」という記事がありました。クラブライセンス制度の適用は2013年からですが、おそらく、一度J1に昇格したクラブを2013年になってスタジアム要件で降格させるわけにはいかなくなることから、「2012年に昇格できない」という判断になるのだと思います。
J2北九州、一転快進撃 …でも昇格は絶望的

J2全クラブを見渡しますと現時点で、単に収容人数だけを見ても現在7クラブが要件を満たしていません。(収容人数以外にも問題がある可能性がありますが)。愛媛FCももう少しで昇格の可能性がある順位(来期以降、6位)が見える位置にいることから、愛媛以外についての状況を確認してみました。さらに新しい情報をお持ちの方はお知らせください。(以下8月20日現在の成績順) 昇格のための順位要件を満たしながら、スタジアムの問題で昇格できない状況が発生した場合、経緯はともかく、自治体の対応が問われることになると思われることからか、自治体によっては動きが見えます。 

徳島:ポカスタの改修計画が進んでいます。なかで「避難場所機能の強化」という点に興味をひかれます。フクアリが広域避難所とされたことから建築が素早く行われたというお話がありますが、ここでもその点が重視されているのでしょうか。なお、アクセスの点ではここも決してよくないと思われますが、周辺工場などの駐車場を利用することで必要台数が確保されるのでしょうか。その場合、平日の試合への対応は大丈夫なのでしょうか。

J1仕様に改修 鳴門ポカリスタジアム、耐震化工事とともに
>鳴門ポカリスタジアム改修、県が設計費に3150万円

栃木:一度進んでいた新スタジアムのお話が消えてしまったように見えます。今年も順位的には昇格圏に入る可能性が高いクラブの一つですが、特に改修や新設のお話があるようにはみえません。グリスタは座席数的にはもう少しで基準をクリアしますが(まだ少し震災の影響があるようですが)、ここもアクセスの問題が懸念されます。周辺工場付近が駐車場に使われているようですが、平日の対応がわかりません。なお、以前掲載しました、スタジアム周辺人口比較表ですが、栃木グリスタの5kmの数字が間違っていました。申し訳ありません。3万人台で、全クラブで最少の数字となっています。近日修正版を掲載します。
<2011.09.04更新> 本記事掲載後、栃木で動きがありました。これでおそらく建造物としての要件は満たすことになるでしょう。ということはアクセスの問題は周辺工場付近の駐車場でクリアされるということでしょうか。徳島も同様かもしれません。そういった解決策のないニンスタは...勝ち点にして昇格圏まで3勝分の差。もし昇格圏にはいってくれば自治体に動きはでるのでしょうか。
グリスタ改修へ足並み 県議会4会派が要望 県の9月補正予算
グリスタ増席に前向き 栃木SC要望に福田知事 「責任果たしたい」

北九州:市が積極的に動いているようで、新設が正式に決定しました。ただ、2016年春ということで、かなり先なため、それまでの間、暫定認可が受けられるかどうかに注目が集まります。(愛媛でも上手くことが運んだとしても、やはり年単位の時間が必要になるものと思われます)。

北九州市:サッカー新競技場、「出前講演」で賛同78% 議会から疑問の声も /福岡
ギラヴァンツ北九州、16年春に2万人収容の新スタジアム

草津:昨年末、伊勢崎市が新スタジアム誘致の提案を県に対して行いましたが、以降、動きが聞こえてきません。

水戸:K’sスタは改修後もJ1には席数が不足しており、J1に昇格したらサイドスタンドを改修するというお話だったところに震災の影響でメインスタンドにかなりな補修工事が必要となっており、その補修が最優先と思われます。

岐阜:国体への改修で基準をクリアしたとばかり思っていましたが少し座席数が足りないようです。とはいえ、2千席程度の不足なので順位的に昇格しそうそうになれば検討されるといったところでしょうか。

町田:こちらはJ2基準が問題となっていたのですが、町田市が動いて、来期J2昇格は成績さえ満たせば可能になることが確実になりました。
町田市:ゼルビア本拠地、工事前倒しへ 改修でJリーグ、基本設計を承認 /東京

愛媛の状況は別途取りまとめたいと思います。おそらく国体へ向けた改修で収容人員数(1万5千席)はクリアされるものと思われますが、5月に愛媛新聞記事になったアクセスの問題については解決策がないのではと思われます。順位的に期待が持てることもあり、新スタジアムへ向けての動きが必要とされると思います。

Jリーグ、ライセンス制13年導入、クラブ経営、厳しく審査、3年連続赤字で剥奪。(11.05.31)
日曜日の愛媛新聞の記事に引き続き、日経新聞にクラブライセンス制度についての記事が掲載されました。これまた、今まで推測で語られていたことがかなり明確になっています。施設基準は厳格に運用され、徳島も現在のスタジアムではJ1に上がれないことが明記されており、愛媛新聞の記事を裏付ける内容となっています。また、新スタジアムに必要な規模がJ1:1万5千人と再確認されたことで、県による「場所を含めた検討」も具体化していただけるのではないかと考えます。なお屋根の規模を大きくすることは大きな建築費増につながるため、当会の考えとしてはこの点はAFCに「推奨」程度に留めていただくようご配慮をお願いしたいところです。

以下に記事の要約を掲載させていただきます。

2011/05/31 日本経済新聞 朝刊 37ページ

・毎年、各クラブの財務面、施設面などを厳しく審査しライセンスを交付。
・取得できないクラブはJ1、J2に参戦できず、JFLへ降格。

・審査項目はスタジアムなどの施設、クラブの財務内容など5分野。計56項目。
・各項目A~Cの3段階、44あるA項目は必須要件。
・B項目は満たさないと制裁(ライセンスは交付)。C項目は推奨される要件。

・施設基準と財務基準が重視される。
・スタジアムの収容人数はJ1が1万5千人、J2は1万人と従来通りだが厳格に適用
 (例:J2徳島は今のままではJ1に上がれない。J1柏は本拠地を増築する。)
・債務超過・3年連続赤字のクラブには原則ライセンスが下りない。(12年度から)
・審査機関は第一審機関、上訴機関と2段階
 弁護士/公認会計士.有識者の3人で構成、リーグ/日本サッカー協会は入らない。

・4月末アジアサッカー連盟(AFC)に原案提出、細部確認後、11月末に承認。
・AFCは「屋根でできるだけ多くの観客席を覆う」を「より具体的に」などと要求。

・この制度はプロクラブとしての品質をアップ、リーグのブランド価値を上げる狙いも。

「解く追う:愛媛FCクラブライセンス対応」(11.05.30)
29日(日)愛媛新聞朝刊に「解く追う:愛媛FCのクラブライセンス対応」として関係者からのヒヤリングを踏まえた詳細な記事が掲載されています。これまで推測の域を出なかった非常に重要な点が明らかになっています。非常に長い記事で、全文掲載するのは憚られますので、以下に要点を箇条書きにします。お手元に紙面があるかたは、前日の3柑1匹の記事とともに大切にスクラップしましょう。

●Jリーグスタジアムプロジェクトマネージャーの話として:
「現在のスタジアムについては”国体に向けた改修が実施されれば”J2では問題なし」
「しかし、アクセス面(交通機関、駐車場等)の問題でJ1昇格には大きな支障がでる」

●Jリーグ管理統括本部長のお話として
「今後は計画段階での参入(=昇格)は認められなくなる。施設面でも万全の準備が必要」
「愛媛FCの活動が地元にとってどんな意味を持つのか問い直す機会にすべき」と
 県民を巻き込んだ議論の活発化に期待

●記者の見解として
「経営の早期改善、規模の拡大が必須。JFLとの入替えも始まり残留競争の激化は必至」

※管理統括本部長の後段のお話は、昨年12月のインタビュー記事のチェアマンのお言葉
「サポーターやホームタウンの皆さんから声が上がってくることが大事。
 そういう力が行政を動かすと思う。」にかぶります。

これでほぼ、現在のスタジアムのままではJ1に昇格できないことがはっきりしました。「J2が愛媛の身の丈にあっているのでは」というご指摘もあるかもしれませんが、上位に進出してもJ1昇格の夢がないクラブが、優れた選手、また沢山のサポーターを引き止めるのは極めて難しいと思われます。また甲府の事例などでは一度J1を経験したあと、J2でもJ1時代と大差ない来場者数を獲得していることから(常時J1に居続けることは難しいとしても)1年でもJ1を経験することによる波及効果を得られる道は必要と考えます。この記事のなかでも愛媛FCのGMはJ1を昇格を視野に入れると明言しています。

同時にこの前日の記事により、知事が新スタジアム検討のご意向をお持ちであることも分かりました。一方でプロリーグからの降格の可能性も現実味を帯びるなか、県がスタジアムに高額な投資を行うのであれば、県は愛媛FCが存続・発展することの確証が必要なはずです。もしスタジアムが完成した際に、クラブがプロリーグにいない、という事態は避けなければなりません。勝負事に100%確実はないとはいえ、J2リーグの順位が経営規模と強い相関関係を示している以上、最低限の方策としてJ2中位クラブレベルの経営規模まで引き上げる必要があるでしょう。このようにスタジアム問題とクラブの経営改善・規模拡大は車の両輪のように平行して進む必要があると思います。クラブライセンス申請まであと1年。いずれも解決には時間とコストのかかる問題であることから、残された時間はロスタイムと言えるくらい短いかもしれません。

これらは、まさにバルバリッチ監督がこのシーズンオフにインタビューに答えて発言したことばかりです。クラブ経営に関する想いは英国の「みかんズ」ブラックプールのホロウェイ監督に通ずるものがあります。
愛媛FC・バルバリッチ監督インタビュー【1/4】
『「J1昇格」へのクラブ熟成論”>』

またJリーグの見解として、「サポーターやホームタウンの皆が動くべき」というご指摘もいただきました。いよいよ我々が組織的に動き、県民の皆さんのご賛同を得る時が来ると思います。「では具体的に何をしたらいいですか」というご質問をさっそく頂きました。いずれも代わり映えしませんが当会の考えつくままに述べます。
・ご自身の周りに一人でも愛媛FCファンを増やすこと。
・具体的には一緒にスタジアムに出かけてプロサッカーリーグの観戦を経験していただくと同時にスタジアム環境の厳しさをご理解いただくこと。
・愛媛FCが行っているホームタウン活動などを周りの方々にご説明して、その意義をご理解いただく。
・ご自身の所属団体(企業、学校、その他団体)でご賛同者を増やし、いざ署名運動、となった場合に組織的にご支援いただける素地を作っていくこと。
2005年に昇格できるかどうかの瀬戸際のときに生まれた一体感とムーヴメントを越えられなければ、関係各方面のご賛同は得られないと思うべきでしょう。

もう一度チェアマンのお言葉を肝に命じましょう。
「サポーターやホームタウンの皆さんからの声が行政を動かす。」

『中村知事から「(候補地となる)場所を含めて検討したい」』(11.05.29)
私どもの記憶の限り、県知事から新スタジアムについて「検討」というお言葉を頂いたのは初めてだと思います『2011.5.28』は 2-0の快勝とともに記憶に残すべき日になるかもしれません。さらに情報入り次第、掲載いたします。テレビ局2社のウェッブ上のニュースは肝心なところが含まれていないようです。
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サッカー 「ニンスタ改善を」 Jリーグチェアマン 知事と会談 2011/05/28 愛媛新聞朝刊
 Jリーグの大東和美チェアマンが27日、来県し中村時広知事を表敬訪問。愛媛FCホームスタジアムの県総合運動公園ニンジニアスタジアムについて移転も含め改善するよう求めた。 大東氏は、Jリーグ各クラブ視察の一環で来県し、亀井文雄愛媛FC社長らと中村知事を訪ねた。 Jリーグが2013年から導入を検討しているクラブライセンス制度について触れ「施設、財務を一定レベルに引き上げたい。施設は愛媛だけでなく、他の場所もひっかかる」と説明。「街中が便利。コミュニティーとして、商業施設などもあればにぎわう」と提案した。 中村知事は「町づくりの中で、できたらいい」と返答。大型電光掲示板の設置や固定席を約2万席とするなどの施設改善計画が遅れていることを踏まえ「(Jリーグと)約束したことを進めていきたい」と強調した。 亀井社長は、「J1に上がれば経済効果を地域にもたらす。チームも強くなれる」と理解を求めた。 大東氏によると、中村知事から「(候補地となる)場所を含めて検討したい」と前向きな返答を得たという。東日本大震災の影響もある中、「クラブライセンス制度は遅れることなく進めていく」とスケジュール通りの実行に意欲を示した。

Jリーグチェアマンが知事に要望(2011-05-27・17:39)RNBオンラインニュース
 Jリーグの大東チェアマンが中村知事と会談し、ホームスタジアムの改修などを要望しました。
 県庁を訪れたのはJリーグの大東和美チェアマンです。大東チェアマンは中村知事に、愛媛FCのホームスタジアム、ニンジニアスタジアムについて観客席の増設や電光掲示板の設置などJ2昇格時に条件となっていた改修を改めて要望しました。これに対して中村知事は「改修についてはしっかり約束したことを進めていきたい」と答えていました。ニンジニアスタジアムは松山市の中心部から離れていて、交通手段も限られていることから観客動員の面で大きな課題となっています。このため大東チェアマンは「街中の便利な所で、ショッピングモールがあったり人が集まる、賑わいのあるスタジアムがあれば」などと新たなスタジアムの建設についても要望していました。

2011年05月27日 Jリーグチェアマンらが改修要望愛媛朝日放送県内ニュース
Jリーグの大東和美チェアマンが来県し、中村知事にニンジニアスタジアムの改修を要望しました。愛媛FCの亀井文雄社長と共に県庁を訪れた大東チェアマンは中村知事に対して愛媛FCがホームスタジアムとして利用しているニンジニアスタジアムの改修を要望しました。大東チェアマンによりますと、愛媛FCがJ2に昇格したとき、県がJリーグ側に提示したスタジアムの改修計画では収容人数を3万人あまりとしていましたが、現在の収容人数は2万人ほどだということです。これに対して、中村知事は「2017年の愛媛国体にあわせてスタジアムの改修をしているが財政状況もあり、出来る限りの事はしたい」と答えたということです。

「ニンジニア」早期改修を 愛媛ホーム Jチェアマン、知事に要望
愛媛2011/05/31 大阪読売新聞 朝刊 26ページ
「ニンジニア」早期改修を 愛媛ホーム Jチェアマン、知事に要望=愛媛2011/05/31 大阪読売新聞 朝刊 26ページ 334文字その他の書誌情報を表示 サッカーJリーグの大東和美チェアマンが県庁を訪問し、中村知事にJ2・愛媛FCのホーム「ニンジニアスタジアム」(松山市上野町)の早期改修を要望した。
 同スタジアムは、県が2017年の国体に向けて改修を行ってきたが、愛媛FCがJ2に昇格する前年の05年、前チェアマンが施設の不備を指摘。長いすからひじ掛け付きいすへの取り換えなどが行われたものの、電光掲示板設置やトラックは未改修のままだ。
 大東チェアマンは「(財政事情など)課題もあると思うが、Jリーグとしても全面的に協力したい」と述べると、中村知事は東日本大震災による地方経済の先行きは不透明との懸念を示す一方、「約束したことはきっちりやる」と答えた。

平成23年度 愛媛県の当初予算案(11.02.20)
平成23年度、愛媛県の当初予算が発表されています。
愛媛県庁公式ホームページ 予算発表資料

プロスポーツに関する内容は概ね以下の概要の20~22ページにまとめられています。
 平成23年度当初予算の主要な事項について(2月15日発表)
  4 子供たちに愛顔を
  (3)文化・スポーツの振興 
これらを部局別経費概要から以下に抜き出してみました。
確認漏れがあるかもしれませんが、平成22年度に、実施設計費が計上されていた県総合運動公園の国体に向けての改修工事は予算が組まれていないように見えます。 国体開催基金積立金は大幅に増えて10億超になっていますが、これは特に使途が確定しているものではないと思われ、施設整備計画はいったん見直していただけることになったかもしれません。一方、新スタジアム建設に関する項目も見当たりません。このままでは2013年に発効されるというクラブライセンス制度に間に合わないのでは、という危惧があります。Jリーグスタジアム基準に照らしてみると現ニンスタをどんなに改修してもアクセスの問題が改善できるとは考えられないことから、今回の予算で愛媛FCのホームスタジアムについて他の選択肢を検討するための調査費だけでも計上されないと手遅れになるのではないでしょうか。
土木部の項に総合運動公園改修費などが含まれていますが、これらは特に国体に関するものではなく維持、補修の範囲と思われます。(なお、この費用として、Jリーグ愛媛FCあってのニンスタのネーミングライツ(命名権)収入が充当されていることは幅広くご認識いただきたいところです。)
なお、私たちがパブリックコメントでその重要性を訴えております、プロスポーツ地域振興事業費が半減されてしまっています。比較的少額な費用で必ず愛媛のPRに大きく貢献できると考えますので、是非ともご再考をお願いしたいところです。他の予算のことをとやかく言える立場ではありませんが、パブリックコメントでも取り上げられたスポーツによる地域振興を目指すという方針に照らして、この予算額は如何なものでしょうか。

 ◎は新規施策分、○は大幅増額分

二 企画情報部
プロスポーツ地域振興事業費 8ページ 1,522千円 (平成22年度 3,173千円から半減)
 県内で誕生したプロスポーツを確実に定着させ、地域資源として活用することで地域活性化を図る。
 1 県プロスポーツ地域振興協議会の運営(県、全市町、各種団体 など)
 (1)ファン層拡大のためのイベント実施
 (2)アウェイゲームを活用した県外向け情報発信
 2 愛媛FC・愛媛マンダリンパイレーツの経営に対する助言
  松山市と共同で外部有識者を含めた健全経営委員会による経営状況の分析・検討
 (※平成22年度に含まれていた「愛スポカレンダー」が除外されている) 

愛媛マンダリンパイレーツ地域活動推進事業費 8ページ 2,727千円
 県民球団である愛媛マンダリンパイレーツが、スポーツを通じて県民と交流する活動をモデル的に実施
 することにより、球団を地域活性化やスポーツ振興に一層大きな役割を果たす存在として育成する。
 1 事業内容
 (1) スポーツによる青少年健全育成事業
  ・子供元気づくり合同合宿
    小学生高学年48人×3か所(東・中・南予各1か所)、1泊2日
  ・ちびっこ野球教室開催
    小学生低学年、幼稚園児、保育園児 20校、各1回
 (2)実施方法
   愛媛県民球団に委託して実施

七 土木部

総合運動公園改修費 95ページ 53,182千円 (平成22年度 49,182千円、同内容)
 県を代表するスポーツ・レクリエーションの場として、施設機能の維持・向上のため改修等を行う。
 ・体育館得点表示板更新
 ・こども広場遊具補修
 ・主園路(歩道)舗装
 (財源:命名権収入を充当)

◎総合運動公園北部整備事業費 98ページ 4,210千円
 総合運動公園の機能充実を図るため、公園北部丘陵地の整備を行う。
 1. 事業内容 測量、地質調査
 2. 負担区分 国5/10 県4.2/10 市0.8/10

総合運動公園周辺交通環境対策事業費(中予) 100ページ 3,000千円
 県総合運動公園におけるイベント終了時の渋滞発生や住宅街への侵入等の課題に対応するため、現状を調査し
 対策を検討するとともに、即効性のある対策として幹線道路へ誘導するための案内看板を設置する。
 1 周辺交通環境対策の調査及び検討・検証
 ・周辺交通環境対策の調査及び検討・検証
 ・住宅街の生活道路への進入防止対策、周辺道路の渋滞時間の短縮策など
 2 周辺交通環境対策の実施
 ・案内看板の設置
 
十 教育委員会

 ○ 国民体育大会開催基金積立金 109ページ 1,007,544千円 (平成22年度は 4,908千円)
  愛媛国体の開催に係る県の財政負担の平準化を図るため、民間企業・団体及び一般県民
  からの募金に合わせ、一般財源による基金の積立を行う。
  ・基金の使途 第72回国民体育大会の開催及び準備並びに競技力向上対策に要する経費に充当 

 (平成22年度には ◎総合運動公園改修実施設計費 160,000千円)
   愛媛国体開催時の拠点施設となる県総合運動公園を計画的に改修整備するため、工事の進捗に合わせ
   て段階的に実施設計を行う。
  ・測量、地質調査
  ・建築実施設計(陸上競技場メインスタンド屋根、バックスタンド、汚水処理施設)
  ・耐震診断(陸上行儀上メインスタンド、体育館)

※なお、これらの発表資料は印刷物をスキャンして画像としてPDFファイル化されており、文字情報を含まないために、検索がかけられないものです。それぞれの県民が関心のある項目をすぐに探せるように、検索できるPDFファイルとしてご提供いただくことを望むものです。

パブリックコメント:愛媛県スポーツ振興計画(改訂案)に対する意見の募集について(11.01.17)
愛媛県がスポーツ振興計画についてのパブリックコメントを募集しています。
http://www.pref.ehime.jp/comment/23-1-7hokensupotsu/index.htm
この中には、日ごろから私たちが議論を重ねている内容が多く含まれますので、以下のように私たちの考え方をPDFファイルに取りまとめ、ご提出する予定です。(添付資料も含むPDFファイルですので5メガバイト以上あります。ご注意ください。)
愛媛県スポーツ振興計画(改訂案)に対する意見
以下に要約を記します。

II.分野別計画
 1.ライフステージに応じたスポーツ機会の創造
 (4)具体的取組み
   ⑥ プロスポーツを活用した地域振興

  • 「愛媛県プロスポーツ地域振興協議会」には県内各市町もご参加頂いていることから、プロスポーツの具体的な活用として、川崎市で行われているような「転入者に愛媛FCの試合の招待券を提供する」といった施策も効果的では、と考えます。
  • 愛媛FCの首都圏での試合における愛媛県の観光や物産店など、「県外での愛媛FCを通した愛媛県のPR活動」に対し、今少し多く予算を割いて頂くことを希望します。
  • 2.トップアスリートの育成
     (4)具体的取組み
       ⑩ 国際大会・全国大会などの誘致・開催

  • totoの助成金等も活用し、天然芝・人口芝のグラウンドを充実することで、大会を誘致しやすくなると考えます。これらの施設により2019年ラグビーのWカップのキャンプ地に立候補することも考えられる上、天然芝の練習場が不足している愛媛FCの練習の質も向上にもつながると思われます。
  • 3.スポーツ施設の整備・活用
     (4)具体的取組み
       ① えひめ国体で使用する競技施設の整備

  • 3月のパブコメでご提案させていただきました、国体に向けての施設整備の見直しについて再度ご検討されることを要望します。千葉国体を観察し、野球場での開会式、最小限の費用で改修された競技場で陸上競技に全く問題ないこと、逆に今の立地で開会式を開催するには待機場所など様々な問題が懸念されること、さらにはJリーグからも改修計画の見直しを求められていることなどから、陸上競技場の改修計画は見直されるべきと考えます。
  • 整備の考え方で唱えられている「国体開催後に地域住民が広く有効に活用できる」には「見る」「支える」スポーツにおける活用も是非ご検討いただきたく、陸上競技場改修への過度な投資を抑えた上でtotoの助成金なども活用して新スタジアムを建設することをご検討いただきたいと考えます。
  •   ② 身近なスポーツ・リクリエーション施設の整備・活用

  • スタジアムを総合球技場仕様とし、さらに最新の技術を用いることでサッカーだけでなくラグビーなど他の競技、また様々なレベルの競技者が利用できるようになると考えます。また国体後、愛媛FCや下部組織も利用できる良質な天然芝グラウンドの増設も望まれます。
  • 4.えひめ国体の開催準備
     (4)具体的取組み
       ④人材の養成

  • 愛媛FCの運営には古くからボランティアが深く関わり、クラブも含めいろいろな経験を積んできていることから、えひめ国体のボランティアの養成について、これらの経験をフィードバックされることをお勧めします。
  • スタジアムの種類(専スタ/陸上競技場等)による違い(11.01.16)
    横浜F・マリノス、日本代表で輝かしい実績のある松田直樹選手が、JFL松本山雅さんに移籍することを決めた理由の一つはそのスタジアム、「アルウィン」(長野県松本平広域公園総合球技場)でした。
    【エルゴラ紙 松本山雅 松田直樹選手 移籍会見: 正直…中略…JFLに行くという葛藤や不安はありました。ただ、スタジアムを見に行って、社長の熱意や加藤GMのお話を聞いて、自分の中では吹っ切れた。(中略)自分の中でスタジアムは本当に大事です。ファン、サポーターと一つになれると感じた。それは松本山雅さんに決めた一つの理由でもある。
    【デイリースポーツオンライン 前横浜Mの松田直樹がJFLに移籍会見「…でもスタジアムを見て、大月社長や加藤GMの話を聞くと吹っ切れた。お金は関係なかった」】
    「アルウィン」は立地・アクセス的にはワーストの部類に入りますが、2010年、平均来場者数がJFL史上最高記録となる5,080人でした。優れた専用スタジアム、がサポーターだけでなく、トッププレーヤーの心も動かしたのでしょうか。そこでさっそく、スタジアムの種類による来場者数・収容率を調べてみました。また、土地の利用効率、専スタを立てるのにどれくらいの土地があればよいのかを見るために、大よそですが、地図ソフトで長辺・短辺を計測し(土地が長方形とした場合の)面積を概算してみました。⇒ PDFファイルはこちら
    キャパの違いがありますので、一概には論じられないのですが、概ね、専スタ、特にサッカー専用スタジアムの収容率が高いことがわかります。
    敷地面積でみると、サッカー専用スタジアムは一般的な陸上競技場の半分、W杯仕様スタジアムの1/3程度で収まると思われ、効率の良い施設と言えそうです。
    再来年Jリーグ昇格の可能性が高い松本山雅さんに加え、今季Jに参戦する鳥取さんにも立派な専用スタジアムがあります。こちらも立地・アクセス面の条件は厳しいと思われますが、スタジアム自体の良さが来場者数につながるでしょうか。注目です。
    自治体の財政状況(財政健全化指標)(10.12.28)
    経済誌【週刊エコノミスト 12/7号】の地方財政に関する特集に「全国1750市区町村 借金ランキング」が掲載されていました。クラブ経営自体の自治体への依存度は小さくなければいけないと思いますが、一方で、スタジアムや練習場に関しては自治体のサポートが必須ですので、自治体の財政状況はおおよそ頭にいれておきたいと思います。以下に各Jクラブのホームタウンの中心的な自治体の数値を拾ってみました。(都道府県全体がホームタウンのクラブも多くありますが、今回は市町村のランキングからの抜粋です)。もちろん、借金は少なくても社会インフラが老朽化しているなど問題があるかもしれず、この指標だけで論じるわけにはいきませんが、借金が多すぎる自治体ではスポーツに関する施策にも限界があると思われますので、ある程度の目安になると思います。
    松山市では財政健全化への努力がなされてきたとは伺っていましたが、全1750市町村中ワーストから数えて1421位、Jクラブ全体でも健全なほうから9位と、これまでの施策の成果が伺える現状となっています。
    ※実質公債費比率:借金返済負担の重さを示す指標で、数値が大きいほど負担が重い、すなわち下記の表では下にいくほど借金返済負担が大きい。09年度、地方自治体の一般会計等が負担する元利償還金及び準元利償還金の、標準財政規模に対する比率(過去3カ年平均)。08年度比はプラスは改善、▲は悪化を意味する。

    クラブ 順位(全1750中
    ワースト)
    (順位08年度) 自治体名 都道府県 実質
    公債費
    比率(%)
    08年度比(%)
    東京V 1709 (1738) 稲城市 東京 2.4 1.4
      1744 (1792) 多摩市 東京 0.0 0.8
      1729 (1787) 日野市 東京 1.0 0.0
      1559 (1587) 立川市 東京 6.8 0.8
    G大阪 1739 (1792) 茨木市 大阪 0.5 0.3
    湘南 1660 (1695) 平塚市 神奈川 4.4 0.7
    F東京 1566 (1567) 調布市 東京 6.7 1.2
    浦和 1531 (1567) さいたま市 埼玉 7.2 0.7
    大宮 1531 (1567) さいたま市 埼玉 7.2 0.8
    岐阜 1524 (1550) 岐阜市 岐阜 7.3 0.9
    徳島 1477 (1515) 徳島市 徳島 8.2 0.5
    愛媛 1421 (1425) 松山市 愛媛 8.9 1.0
    北九州 1333 (1557) 北九州市 福岡 9.9 ▲1.9
    C大阪 1285 (1362) 大阪市 大阪 10.4 0.3
    山形 1235 (1171) 山形市 山形 11.0 1.3
    新潟 1219 (1315) 新潟市 新潟 11.1 0.1
    札幌 1190 (1351) 札幌市 北海道 11.3 ▲0.5
    鹿島 1159 (1066) 鹿嶋市 茨城 11.5 1.6
    1159 (1157) 柏市 千葉 11.5 0.9
    栃木 1145 (1147) 栃木市 栃木 11.7 0.8
    大分 1092 (1217) 大分市 大分 12.0 0.0
    清水 1031 (1187) 静岡市 静岡 12.4 ▲0.2
    仙台 980 (1187) 仙台市 宮城 12.7 ▲0.5
    名古屋 980 (1005) 名古屋市 愛知 12.7 0.8
    京都 980 (1217) 京都市 京都 12.7 ▲0.7
    水戸 970 (805) 水戸市 茨城 12.8 2.1
    富山 952 (1157) 富山市 富山 12.9 ▲0.5
    熊本 936 (985) 熊本市 熊本 13.0 0.6
    草津 924 (1052) 前橋市 群馬 13.1 0.1
    川崎 874 (698) 川崎市 神奈川 13.4 2.2
    磐田 836 (911) 磐田市 静岡 13.7 0.4
    神戸 806 (767) 神戸市 兵庫 13.9 1.2
    鳥栖 806 (985) 鳥栖市 佐賀 13.9 ▲0.3
    甲府 627 (542) 甲府市 山梨 15.2 1.5
    広島 562 (698) 広島市 広島 15.7 ▲0.1
    福岡 424 (406) 福岡市 福岡 16.8 1.0
    岡山 396 (434) 岡山市 岡山 17.0 0.6
    鳥取 364 (406) 鳥取市 鳥取 17.3 0.5
    横浜FM 192 (196) 横浜市 神奈川 19.1 1.1
    横浜FC 192 (196) 横浜市 神奈川 19.1 1.1
    千葉 84 (205) 千葉市 千葉 21.1 ▲1.0

    都道府県の状況について、2007年のものですが、財政統計研究所のHPより全都道府県分を転記します。愛媛県の厳しい状況がうかがえます。

    都道府県 2011
    J1クラブ数
    2011
    J2クラブ数
    2007
    歳入総額
    人口 人口密度(人/k㎡) 面積(k㎡) 2007
    財政力指数
    2007
    実質公債費比率(%)
    東京都   2 7,143,560,175 12,462,196 5,926 2,103 1.32 8.7
    神奈川 2 2 1,777,724,494 8,798,289 3,642 2,416 0.92 9.2
    群馬県   1 768,501,280 2,012,151 316 6,363 0.59 9.9
    和歌山     505,338,386 1,045,973 221 4,726 0.33 10.0
    長崎県     671,035,804 1,469,197 359 4,096 0.29 10.2
    京都府   1 825,762,915 2,558,542 555 4,613 0.59 10.9
    愛知県 1   2,207,270,578 7,185,744 1,405 5,116 1.02 11.3
    沖縄県     576,827,897 1,391,215 611 2,276 0.30 11.4
    静岡県 2   1,122,719,570 3,775,400 515 7,329 0.73 11.6
    福島県     826,941,954 2,075,555 151 13,783 0.44 11.9
    大分県   1 580,680,027 1,215,388 238 5,099 0.36 11.9
    山口県     694,746,416 1,479,840 242 6,113 0.45 12.0
    鳥取県   1 344,506,384 602,411 172 3,507 0.27 12.0
    宮崎県     545,933,690 1,161,026 183 6,346 0.31 12.2
    奈良県     454,956,711 1,419,626 385 3,691 0.42 12.3
    熊本県   1 748,444,556 1,844,644 261 7,077 0.39 12.3
    山梨県 1   458,972,266 871,481 207 4,201 0.42 12.4
    千葉県 1 1 1,454,298,850 6,090,799 1,199 5,082 0.76 12.6
    三重県     672,573,230 1,856,282 322 5,761 0.59 12.6
    滋賀県     489,461,687 1,377,886 366 3,767 0.56 12.9
    埼玉県 2   1,545,740,507 7,067,336 1,876 3,767 0.74 13.3
    栃木県   2 751,331,835 2,006,701 313 6,408 0.63 13.7
    福岡県 1   1,484,700,625 5,030,818 1,038 4,844 0.61 13.7
    石川県     601,685,500 1,167,151 279 4,185 0.45 13.8
    福井県     464,342,941 815,344 195 4,189 0.40 14.3
    茨城県 1 1 1,018,153,521 2,982,000 489 6,096 0.64 14.7
    鹿児島     798,972,428 1,739,075 192 9,044 0.31 14.7
    香川県     437,283,420 1,019,333 547 1,862 0.46 14.9
    秋田県     613,711,774 1,130,823 99 11,434 0.29 15.2
    山形県 1   566,153,157 1,194,071 180 6,652 0.33 15.3
    岩手県     681,830,127 1,366,652 89 15,279 0.31 15.3
    広島県 1   946,438,413 2,864,167 338 8,479 0.59 15.7
    青森県     709,644,747 1,430,543 160 8,918 0.31 15.8
    新潟県 1   1,334,984,778 2,413,103 224 10,789 0.43 16.0
    佐賀県   1 412,437,656 864,738 354 2,440 0.34 16.0
    岡山県   1 738,032,774 1,948,250 278 7,010 0.54 16.1
    岐阜県   1 766,724,427 2,095,484 215 9,768 0.51 16.1
    愛媛県   1 599,750,236 1,471,510 259 5,678 0.40 16.2
    大阪府 2   2,777,887,155 8,670,302 4,569 1,898 0.79 16.6
    宮城県 1   779,949,196 2,334,874 340 6,862 0.53 16.6
    富山県   1 514,952,695 1,106,340 541 2,046 0.45 16.7
    高知県     428,902,733 784,038 110 7,105 0.24 16.7
    長野県     837,614,711 2,176,806 166 13,105 0.46 17.3
    徳島県   1 490,383,651 805,951 194 4,146 0.33 17.6
    島根県     525,061,174 733,123 109 6,708 0.24 17.8
    兵庫県 1   1,995,654,021 5,582,230 665 8,396 0.59 20.2
    北海道   1 2,553,293,243 5,571,770 67 83,456 0.39 21.7
    合計 18 20            

    以下は同じ2007年の都道府県データを財政力指数順に並べかえたものです。財政力指数とはとは基準財政収入額を基準財政需要額で割った数値で地方公共団体の財政力を示す指標として用いられます。(通常は過去3カ年の平均値)ほぼこの財政力の順にJリーグクラブが存在していることがわかります。愛媛はJリーグクラブのある都道府県としては下位グループに位置する一方、大差ないレベルに新潟や大分といったJ1・J1経験クラブもあり、決して経済規模的にJ1が不可能とは思えない数値でもあると思います。

    都道府県 2011
    J1クラブ数
    2011
    J2クラブ数
    2007
    歳入総額
    人口 人口密度
    (人/k㎡)
    面積
    (k㎡)
    2007
    財政力指数
    2007
    実質公債費比率(%)
    東京都   2 7,143,560,175 12,462,196 5,926 2,103 1.32 8.7
    愛知県 1   2,207,270,578 7,185,744 1,405 5,116 1.02 11.3
    神奈川 2 2 1,777,724,494 8,798,289 3,642 2,416 0.92 9.2
    大阪府 2   2,777,887,155 8,670,302 4,569 1,898 0.79 16.6
    千葉県 1 1 1,454,298,850 6,090,799 1,199 5,082 0.76 12.6
    埼玉県 2   1,545,740,507 7,067,336 1,876 3,767 0.74 13.3
    静岡県 2   1,122,719,570 3,775,400 515 7,329 0.73 11.6
    茨城県 1 1 1,018,153,521 2,982,000 489 6,096 0.64 14.7
    栃木県   2 751,331,835 2,006,701 313 6,408 0.63 13.7
    福岡県 1   1,484,700,625 5,030,818 1,038 4,844 0.61 13.7
    京都府   1 825,762,915 2,558,542 555 4,613 0.59 10.9
    広島県 1   946,438,413 2,864,167 338 8,479 0.59 15.7
    兵庫県 1   1,995,654,021 5,582,230 665 8,396 0.59 20.2
    群馬県   1 768,501,280 2,012,151 316 6,363 0.59 9.9
    三重県     672,573,230 1,856,282 322 5,761 0.59 12.6
    滋賀県     489,461,687 1,377,886 366 3,767 0.56 12.9
    岡山県   1 738,032,774 1,948,250 278 7,010 0.54 16.1
    宮城県 1   779,949,196 2,334,874 340 6,862 0.53 16.6
    岐阜県   1 766,724,427 2,095,484 215 9,768 0.51 16.1
    香川県     437,283,420 1,019,333 547 1,862 0.46 14.9
    長野県     837,614,711 2,176,806 166 13,105 0.46 17.3
    石川県     601,685,500 1,167,151 279 4,185 0.45 13.8
    富山県   1 514,952,695 1,106,340 541 2,046 0.45 16.7
    山口県     694,746,416 1,479,840 242 6,113 0.45 12.0
    福島県     826,941,954 2,075,555 151 13,783 0.44 11.9
    新潟県 1   1,334,984,778 2,413,103 224 10,789 0.43 16.0
    奈良県     454,956,711 1,419,626 385 3,691 0.42 12.3
    山梨県 1   458,972,266 871,481 207 4,201 0.42 12.4
    福井県     464,342,941 815,344 195 4,189 0.40 14.3
    愛媛県   1 599,750,236 1,471,510 259 5,678 0.40 16.2
    北海道   1 2,553,293,243 5,571,770 67 83,456 0.39 21.7
    熊本県   1 748,444,556 1,844,644 261 7,077 0.39 12.3
    大分県   1 580,680,027 1,215,388 238 5,099 0.36 11.9
    佐賀県   1 412,437,656 864,738 354 2,440 0.34 16.0
    山形県 1   566,153,157 1,194,071 180 6,652 0.33 15.3
    徳島県   1 490,383,651 805,951 194 4,146 0.33 17.6
    和歌山     505,338,386 1,045,973 221 4,726 0.33 10.0
    青森県     709,644,747 1,430,543 160 8,918 0.31 15.8
    鹿児島     798,972,428 1,739,075 192 9,044 0.31 14.7
    宮崎県     545,933,690 1,161,026 183 6,346 0.31 12.2
    岩手県     681,830,127 1,366,652 89 15,279 0.31 15.3
    沖縄県     576,827,897 1,391,215 611 2,276 0.30 11.4
    秋田県     613,711,774 1,130,823 99 11,434 0.29 15.2
    長崎県     671,035,804 1,469,197 359 4,096 0.29 10.2
    鳥取県   1 344,506,384 602,411 172 3,507 0.27 12.0
    高知県     428,902,733 784,038 110 7,105 0.24 16.7
    島根県     525,061,174 733,123 109 6,708 0.24 17.8

    「アクセスランク」と「来場者数」、「周辺人口」と「来場者数」の相関(10.12.09)
    2010シーズンが終了しましたので、スタジアムの立地・アクセスと平均来場者数の相関を調べました。
     (1)J’s Goal上での(実際の来場者の評価による)「アクセスランク」と「来場者数」の相関
     (2)「スタジアム周辺5km圏内の人口」と「来場者数」の相関
    こちらのPDFファイルをご覧ください。【10.12.20追記:J1とJ2クラブを比較するため一つのグラフにしたものを追加しました。またアクセスランクと周辺人口を総合して比較するために、両者を掛け合わせ最大100になるように算出した指数との相関もグラフにしてみました。これにより地方の厳しさ(二重苦「周辺人口が少ないうえにアクセスが悪い」)が一層クローズアップされます。】
    【考察:J2】
    相関係数を算出したわけではありませんが、「J1経験の有無」、「W杯スタジアムかどうか」、さらにグラフ内に注記「※」で示した点などを勘案すれば、「アクセスランク/周辺人口」と「来場者数」は非常に高い正相関を示していると考えます。(「アクセスランク」で回帰直線からずれているスタジアムは周辺人口を援用すれば「ずれ」が説明でき、逆に周辺人口の回帰直線からずれているスタジアムは「アクセスランク」を援用すれば「ずれ」が説明できるケースもあります。例えば、鳥栖は電鉄駅からのアクセスは最高ですが、周辺人口が少ないことが来場者数のレベルに影響していそうです。) 一つ、熊本がアクセスランクと来場者数の相関において、回帰直線から大きくずれています。これには周辺人口がある程度あること、今季J1昇格争いに絡んだことも影響していると思われますが、最寄の「光の森駅」が大型ショッピングセンターで多数の駐車場を備え、ここからシャトルバスが発着することが来場者数増に効果を発揮しているのではないでしょうか。(交通渋滞は問題になっているようですが)
    また、当たり前ですが、来場者数のレベルを大きく飛躍させるにはJ1に一度でも昇格する必要がありそうです。
    【考察:J1】
    これまた当たり前ではありますが、大規模スタジアム(大半はW杯スタジアム)と中規模(2万人規模)スタジアムでは来場者数のレベルが大きく異なります。スタジアム建造物自体の優劣が来場者数に大きく影響していることがわかります。中規模スタジアムは高収容率スタジアムを除くとアクセスランク/周辺人口と来場者数は正の相関を示していると考えます。高収容率のスタジアムのうち、ガンバ大阪や川崎などは後背人口が大きいことからキャパの大きなスタジアムが造られれば来場者数も大幅に増加すると推測します。

    先に用意しましたアクセス条件と合わせ見ていただけますと、ニンスタの立地・アクセスでは来場者数を大きく増加させることが非常に難しいことがご理解いただけると思います。
    ご意見ございましたら、ツイッター @efck 経由もしくはメール orange[at]ehime-support.net ([at]を@に置き換えて下さい)でお寄せ下さい。これらはあくまで現象面だけからの推察であり、各クラブの関係者の皆さんによる来場者数増のための様々な施策は勘案していませんので、予めご了承ください。

    各クラブの主要スタジアムのアクセスを比較!(10.12.02)
    【追記 10.12.11】
    全Jリーグホームスタジアムで観戦され、準加盟クラブスタジアムにも全て実際に出向かれているという @izumi795 さんや、愛媛在住で全国ほとんどのスタジアムに出向かれている浦和サポさん他、たくさんの有志の方々からありがたい情報ご提供のお申し出があり、頂いた情報をもとに一覧表を更新しました。 こちらからPDFファイルをダウンロードして下さい。また今回、J’s Goalの11ミリオンパークにある利用者によるアクセスランキングからアクセスランクとその得点(5点満点)を拾い出し追記しました。やはり電鉄駅からの徒歩によるアクセスが決め手(バスに乗らなくて済む)となることは間違いないようで、ランキングとの相関関係をビジュアルに示そうとしています。今しばらくお待ちください。愛媛ニンスタはJクラブ内では遂にランク最下位になっており、それは今回、集計した情報でも裏付けられています。やはり何が何でもこの最悪の立地に追加投資がなされてはいけないと思いを新たにしている次第です。
    —————
    愛媛県知事・松山市長選挙が終わり、今後、私たちが命運を託す首長お二人が決まりました。なんとかして早期にお二人に私たちの考え方をご説明差し上げる機会を持ちたいものですが、それまでの間、更に情報を収集し、精度の高い資料をご用意していきたいと考えています。
    まずその一つとして、各クラブのメインスタジアムのアクセス条件の比較表をドラフトしました。主に最寄りもしくはバスの便が良い電鉄駅からの、バス、タクシー、徒歩にかかる時間と費用を調べたものです。こちらからPDFファイルをダウンロードいただけます。いろいろなソースから情報を集約したものですが、集めきれていないスタジアム、項目があります。是非皆さんでお持ちの情報があればツイッター経由もしくはメール orange[at]ehime-support.net ([at]を@に置き換えて下さい)まで知らせください。なお駐車場については、臨時のものも、ほぼJリーグ主催全試合において利用可能であれば含めています。
    ここまでのドラフトでも愛媛FCのメインスタジアムが全国的に最下位グループに位置するのは間違いありません。
    精度が高まったところで、この情報だけをもとにアクセスランキング付けを行い、J’s Goalの11ミリオンパークにある利用者によるアクセスランキングと比較してみたいと思います。またこのアクセスランキングと来場者数の相関も見て行きたいと思います。ご協力よろしくお願いいたします。

    北九州市長がギラヴァンツ本拠地発表(10.11.19)
    これまた以前から報道されていましたが、北九州市長がJ2ギラヴァンツ北九州の本拠地となる新スタジアムの建設候補地を、JR小倉駅北口とすることを正式に発表しました。
    「海に突き出す新球技場 北九州市長がギラヴァンツ本拠地発表」 / 西日本新聞
    「新幹線小倉駅に100億円スタジアム 北九州市、サッカーJ2本拠地」/産経新聞
    特に報道以上の情報があるわけではありませんが、例によって私どもがいつもベンチマークとしているスタジアム周辺人口を調べてみました。(全クラブのメインスタジアムの比較表を更新しました。)
    周辺人口ではもちろん本城より優れており、J2の中ではかなり上位に位置するようですが、この立地の場合、とにかくアクセスについては鳥栖さんと同様ほぼ駅直結という感じで申し分なさそうです。うらやましい限りですが、こういった事例が出てくることで、愛媛県でもという機運がサポーターや自治体の方々に醸成されていくことに期待したいと思います。

    天然芝と人工芝の混合ピッチとは(10.10.06)
    W杯南ア大会で、「『曲がる芝』に不満続出サッカー出来ない」という記事をみてからこの天然芝と人工芝の混合ピッチの存在が気になっていました。ひとまずちょっと調べてみたところ以下の、GrassMasterという製品のようです。HPの情報をざっと眺めてみました。
    スタジアム新設の話をする際、天然芝のグラウンドでは年間70日程度しか使用できず、地域の大会やイベントになかなか使えないことから幅広い方々の賛同が得られにくいのでは、と懸念していましたので、以下のようなお話が本当であれば、是非、今後検討していただくように訴えていきたいところです。南アでは選手の評価は良くなかったようですが、プレミアリーグでも相当な導入例があることから、慣らし・慣れにより実用に耐えるものであることを期待したいところです。(プレミアリーグで特に早いロングパスが通りやすく思えるのは選手の技量に加え、このピッチの影響があるのかもしれません)。

    • 天然芝の根が地中に20cmまで埋めたグラスファイバーに巻きついて補強される。表面は3%人工芝97%天然芝、100%天然芝の感触
    • 報道にあった、南アW杯2会場の他、アーセナル、リバプール、トットナム、フェイエノールト、デンバーブロンコス、グリーンベイパッカーズなど総計250スタジアムに導入済み。
    • 耐久性に優れ天候やハードなスライディング・タックルに強く、水はけも良好。
    • ボールの挙動、選手のピッチに対する感触、摩擦、スライディング時の特徴など全て天然芝の感覚。
    • 一般の天然芝は1シーズン300時間しか使えないが、グラスマスターは3倍使用可能。さらにピッチの損傷も少ない。
    • 天然芝以上の特別なメンテナンスは不要で良好なコンディションを保て、ピッチのケアにかかるコストと時間を低減。
    • 試合だけでなく、練習やコンサート他、多様なイベントに利用できることでコスト回収に寄与。
    • (プレイ可能な)時間単位のコストは大幅に天然芝に比べて低い。(訳者注:前述の3倍の時間、利用可能というデータからおよび「大幅に低い」という表現から考えると通常の天然芝の2倍までかからないのでは)

    県営サッカー場 伊勢崎市長 誘致名乗り 群馬(10.11.03)
    以前から報道にのぼっていましたが、伊勢崎市長が同市内多田山地区に1万5千人収容可能な県営サッカースタジアムの誘致を求める要望書を11月1日、大沢正明知事に提出しました。愛媛県でも松前町長が時折、スタジアム建設に触れられることがありますが、伊勢崎市では、「多田山地区の県営サッカースタジアム誘致調査報告」にまとめられているようにかなり具体的な検討が進んでいるようです。
    「J1公式戦の規格(1万5千人以上収容)を満たす施設がなく、規格対応のスタジアム建設を求める声が強まっていた。」という記事の見方も非常に羨ましい限りで、このような動きに水を差すつもりは毛頭なく、逆に愛媛県の関係自治体各位にご参考事例としてご紹介したいところですが、当会が重要視している立地とアクセスの面は気になるところで、私どもがいつもベンチマークとしているスタジアム周辺人口を調べてみました。(全クラブのメインスタジアムの比較表を更新しました。)
     5km圏:56,445/10km圏:382,921/15km圏:807,447/20km圏:1,348,223
    と、もっとも来場者数と高い相関を示す5km圏内人口が少ないところが気になります。大まかにみると伊勢崎市街地が5~10km圏、前橋市街地が10~15km圏、高崎市街地が15km~20km圏といったところでしょうか。
    また、Jリーグのスタジアム基準の一つ、「公共交通機関が整備されていない場所では来場者数に見合った十分な数の駐車場」が最低、平均一万人の来場が見込まれるJ1昇格を前提とすると計画による2千台では厳しいのではと考えるところです。こういった地域では電鉄によるアクセスはなかなか望めないと思われるため、車でのアクセスが重要になるものと想像します。最寄りの高速ICからは5km以内で便利そうですが、スタジアム周辺の生活道路との関係などによる混み具合が気になります。繰返しになりますが、この案に反論を唱えるつもりは一切ありません。松本山雅さんのようにJFLでも5千人を軽く超える来場者数をあげている事実もあり、優れた施設が建設され、アクセスの手段を工夫されることで打開できることかもしれません。いずれにしても今後の展開に注目していきたいと思っています。

    2010千葉国体開会式および改修された陸上競技場の観察(10.10.06)
    私達がかねてよりご提案している「2017国体開会式は坊っちゃんスタジアムで」という案を検証するため、史上初の野球場開催となった千葉国体の開会式に出向きました。現在の愛媛FCのホームスタジアムであるニンジニアスタジアムの立地・アクセスではいかにお金をかけて改修を行っても、来場者数の大きな増加を見込めないことから、「無駄な投資を避け、専用球技場開設のお話ができるようになる時を待つべき」という考え方から、この案を提唱しているものです。

    以下に総評を記します。写真入りの詳報は、こちらのPDFファイルをご覧ください。

    また今回、陸上競技場の会場は、国体の陸上競技開催および、そのた通常の競技開催のために、築40年を経た競技場に最小限の改修を施して使用されました。この改修は工法の工夫などにより、15億円ほどの費用しかかかっておらず、建築技術協会の賞を獲得しています。ニンスタの改修を考える上で示唆に富むと考え、これも現地で観察してきました。こちらのPDFファイルをご覧ください。

    まず全体的な感想ですが、愛媛新聞記事にも書かれた通り、「野球場での開会式は”あり”」ということを確認しました。といいますか、「ニンスタのある愛媛県総合運動公園ではどうみても無理」と思えました。愛媛県がかつて検討した際に(えひめ国体開会式会場のグランドデザイン 概要)、野球場が開会式に不適とした最大の理由は「全都道府県選手団が一列に並べないこと」および「待機場所がないこと」でしたが、ほぼ同等の施設において、これらの点は全く問題ありませんでした。特に入場行進については、各都道府県がコスト削減などのため開会式参加人数を絞ったからか、各都道府県選手団は合計で約5,600人と報道され、愛媛県が検討の際に用いた8,000人の7割にとどまりました。そのため余裕で一列に整列できました。国体全体が規模縮小傾向にある中、愛媛での開催でこれを上回る人数になる可能性は相当に低いと考えます。待機場所については、ニンスタの周辺より、中央公園のほうがはるかに大きく確保できることは間違いありません。

    また今回、ちょうど台風の通過にあたり、当日は朝から傘がさせないくらいの風雨でした。愛媛で9月開催の場合、台風と重なることは十分に考えられますので、大変参考になる状況でした。ニンスタがある総合運動公園の施設全体を考えても、悪天候の場合の待機・待避場所が全く不足すると思われました。ニンスタ自体のコンコースがどの程度増設されるか定かではありませんが、スタンド側にはほとんど屋根は増設されないと思われます。千葉マリンではスタンド上部の屋根付きの部分やコンコースでマスゲームなどを行うお子さん達が多数待機できていました。その他にも施設・設備面で懸念を感じる点は数多くありました。

    アクセスについても、JRの駅から徒歩で来場できるため、バスの利用は非常に限定的で会場周辺の交通や往来はとてもスムーズでした。特に退場時は両陛下のご退出をお待ちしてから一斉となるため、ニンスタでは未経験の総計3万人超の来場者では大きな混雑・混乱が生じると思われます。

    県知事選・松山市長選が迫ってきています。どなたがなられても、是非、愛媛県と松山市の管理下にある施設を総合的に検討していただき、国体へ向けた施設整備計画を見直していただきたいと考えています。坊っちゃんスタジアムこそ国体を通じて、全国にその名を広く知っていただくべきものです。Jリーグ全クラブのホームスタジアムのなかでも特にその立地・アクセスにおいて、最低にランクされている愛媛県総合運動公園に愛媛の看板を背負わせるのは望ましくないと思います。

    松山市スポーツ振興計画(案)に伴う市民の意見公募へのご回答(10.09.22)
    私どもが7月30日に提出したパブリックコメントは、残念ながら松山市の定める要件を満たしておらず、住所要件不備として市よりの公式なコメントに含めて頂くことはできませんでした。今回非公式ながら市よりの回答を頂き、公表の許可をいただきましたので本HPで公表させて頂きたいと思います。
    (本パブリックコメントの提出要件に「松山市内在住者による」とありましたが、私どもは主に関東に於いてJリーグ愛媛FCを通して愛媛をアピールする活動を行っていることから、東京の代表者の住所でひとまずご提出しました。活動のメンバーは松山市にも多数居住しておりますが、提出と同時にお電話で「東京の住所で問題ないです」というご回答でしたので、そのまま提出させていただいたものでした。公式コメントが公表されたあとに再度ご配慮をお願いしたのですが、このような形でのご回答となり、残念に思います。)
    市民意見公募手続きの実施結果の公表について
    肝心なご回答内容については、スタジアムについては予想通り厳しいご見解ですが、その他は概ね私どもの意見をご勘案いただける旨のお答えとなっていると思います。今後、どのようにこの意見が計画および実施に反映されるか、注目していきたいと思います。
    また、引き続き私どもは機会あるごとに首長さん、議員さん、自治体の皆さんに 
     プロスポーツ = Jリーグクラブのサッカー 
    による地域の活性化の可能性を訴え続けていきたいと考えています。
    以下、松山市よりのご回答(原文ママ)です。

    いただいたご意見

    市の対応

    愛媛県と松山市が協力して、新しいスタジアムについての検討を行って欲しい。  愛媛県がホームスタジアムを改修する動きの中で、別の場所に新たな施設を建設することは現実的ではなく、現在の非常に厳しい財政状況下においては、費用対効果の面でも大変困難であると考えています。
    スポーツの全国大会や合宿などの誘致には更なる施設整備が必要 本市の全国大会や合宿の誘致に関しましては、既存施設を最大限に活用することを前提と考えております。なお、施設整備につきましては、競技者や一般利用者がそれぞれの目的に応じ安心して気軽に利用できるよう、また、市民のレクリエーション活動や憩いの場にも活用できるよう計画的な整備に取り組みたいと思います。
    スポーツボランティアについて様々な取り組みをする際には愛媛FC関係者の経験をフィードバックされることを強く望む。  スポーツボランティアは、「支える」と言う面において非常に大切な要素と考えておりますので、その育成には、愛媛FC関係者を含め幅広く有識者の方々のご意見を伺いながら取り組むことを検討いたします。
    様々なイベントにおいて、サッカー協会との協力を深め、人材の有効活用を図っていただきたい。  今後、市民を対象としたスポーツイベントを開催する際には、サッカー協会を含め様々な団体との連携により実施して参りたいと考えています。
    松山市スポーツ振興審議会の委員にサッカー関係者を含めていただきたい。 松山市スポーツ振興審議会は松山市スポーツ振興審議会条例及び同規則により設置をし、委員の任命をしておりますので、委員の選任につきましても、これらの規定に従い、検討させていただきます。
    愛媛県の国体関係の方々と緊密に連携を取り合って本計画を取り進めていくべきだ。  計画案の中で愛媛国体の開催に関しては愛媛県や関係種目団体、関係機関と連携し、スポーツの普及や競技力の向上、円滑な運営などを目指すことを記載しています。

    FC町田ゼルビア、予想外の“失格” 競技場さらに改修必要
     2011年からのJリーグ昇格を目指していたFC町田ゼルビアが予備審査においてJリーグにより「入会の基準を満たしていない」と判断されたとのことです。 Tokyo MXTV 町田ゼルビア、「J入会基準満たさず」
     報道によると、基準を満たしていないのはスタジアムのようです。町田のスタジアム問題に関するサイトや掲示板ではよく、愛媛のスタジアムとの比較が語られるように、私たちにとって、全く他人事ではありません。町田でも昨年は要件になかった項目が2010年基準として判断材料になった模様で、Jリーグ昇格時に認められていた項目が今後(特にクラブライセンス制度導入の際に)否認され、基準を満たさなくなってしまう可能性があるわけです。(注:この後、Jリーグ側の見解の報道もありましたので末尾に抜粋を転載させていただきます。Jリーグは、とにかく、プロが試合をするのに相応しいスタジアム、という原則を掲げているようですので、ニンスタについてはアクセスにおいて、大勢の観客があって成り立つプロスポーツの会場に適しているかどうか、という点こそ大きく問題視されるべきと思います。)
     とはいえ、このために焦ってニンスタに基準をクリアするためだけの改修を(国体にも必要だからといって)施す方向に進むのは避けていただきたく、以前より当会が唱えております、国体開会式は本年の千葉開催(開会式は史上初の野球場、千葉マリンスタジアム)を見習って坊っちゃんスタジアムとすることをご検討いただき、愛媛FCのスタジアム問題については、中長期的に実効のある方向を今少し時間をかけて探っていただきたいと考えます。下記Jリーグのスタジアム基準とは? (10.04.16) にも掲載していますが、ニンスタにおいて、アクセスに関しては新たな道路や電車を通すといった非現実的な投資を行わない限り、Jリーグ基準は満たせないはずで、愛媛FCのスタジアムとしてニンスタの改修を前提として考えること自体に問題があると考えます。詳細は下記それぞれのエントリーをご覧下さい。
     そうこうしているうちに千葉国体の開催が迫ってきています。愛媛県や松山市のご関係部署の方々には、千葉マリンでの開会式および、ちょうど翌日に開催されます廉価に造られた国内屈指の専用スタジアム、フクダ電子アリーナでのジェフ千葉戦をご視察いただくことを強く望みます。千葉県が陸上競技場の改修を国体競技に必要な最低限にとどめ、既存の千葉のランドマークである野球場を有効活用することをご確認いただき、サッカー専用スタジアムがどういった環境で、どのような効果を生み出せるかをご体感いただける絶好の機会と考えます。
     また、今しばらく検討を続けていただくためには、ニンスタの改修工事に急いで取り掛からなくていいように、Jリーグの代替開催会場が必要と考えます。(他県にくらべて3年ほど早く、改修に取り掛かろうとしているのは、代替会場がないため、少しずつ部分工事を繰り返す必要があるため、と推察しています)。ちょうど、同様に国体開催を控えている岐阜が現在、代替会場、長良川メドウ球技場でJリーグを開催しており、こちらも是非ご視察いただきたいものです。ニンスタのとなりの球技場との大きな違いは照明施設の有無ですが、シーズンオフと昼間開催のみの期間を合わせると、十分な改修工事期間が確保できると思われますので、早期に改修工事に取り掛かる必要はなくなるものと考えます。FC町田ゼルビア、予想外の“失格” 競技場さらに改修必要(10.09.08)

    【朝日新聞 2010/09/08 朝刊記事より】
    (前略)だが、Jリーグ側の考えは異なり、改修への努力が足りないと判断。ゼルビアに届いた予備審査結果には、競技場のどこが問題なのか、具体的には書かれていなかった。 Jリーグは朝日新聞の取材に、「すべての基準を満たす競技場は確かに少ないが、プロの試合が開催できるかどうかは別問題」としたうえで、「町田市立陸上競技場は、プロが試合をする仕様ではないと再三申し上げてきたが、改善されなかった。例えばロッカールームが狭くて、入りきれない選手がいる。関係者出入り口周辺は改修後、ミックスゾーン(通路に沿った取材エリア)になるが、混雑は目に見えている」と答えた。また、「シャワールームの広さなどは、09年度基準から面積を定めているが、改修されていない」と話した。(後略)

    松山市スポーツ振興計画(案)に伴う市民の意見公募について(10.07.30)
     前回は愛媛県の施設整備・運用に関するパブリックコメントに意見を提出しましたが、今度は松山市からスポーツ振興計画について意見を提出できる機会をいただけました。本計画は、スポーツ振興法に基づく松山市のスポーツ振興に関する計画です。
     ありがたいことに今回の基本施策の一つとして、「3.地元プロスポーツの支援」が取り上げられています。地元のプロスポーツ、とりわけ、唯一の全国規模団体に所属するJリーグ愛媛FCは、この資料19ページ上段にあるような消費拡大、地域経済への好影響、産業振興ならびに雇用の拡大に必ず寄与するものと考えます。しかしながら、このような効果を生むためには、現在のスタジアム環境は一般の観客を数多く集めるためには厳しすぎ、この問題の根本的な解決無しには地元のプロスポーツは永続できないと考えます。クラブもサポーターも過去4年あまり、この循環の中でもっとも重要な要素である「観客が増加」というステップのために色々な方策を取って来ましたが効果は限られたものでした。好循環を生むための【取り組み内容】としてあげられている「地元プロスポーツチームに関する情報の発信」および「ファンの獲得に向けた支援」にはこのスタジアム問題への対応が含まれていないのではと懸念されました。そこで、前回、愛媛県によるパブコメに提出した資料を援用し、ホームタウンの中心である松山市の愛媛FCに対する今後の意向を伺えればと以下のような意見書を提出し、受理されました。お時間ありましたらお目通しください。
     松山市スポーツ振興計画(案)への意見ー愛媛サポートクラブ

    松山市市議選立候補者の方々へのアンケートの結果が新聞記事に! (10.05.25)

     愛媛FC市民後援会(EHIME-OLE)から、松山市議会議員の方々に実施されました、「愛媛FCおよびそのホームスタジアムに関するアンケート」の結果が5月25日愛媛新聞朝刊で取り上げられました。
     http://ehimeole.blog.shinobi.jp/Entry/36/

     愛媛FC市民後援会ではこの結果を踏まえ、スタジアムの現状と問題についてはまだ認知が広まっていないことから、5月29日1万3千人動員目標の愛媛FC松山広域デーの試合に市議会議員の方々にお運びいただこうと、有志が出し合って購入した、バス券付きチケット(サポーターズチケット)をアンケートの結果とともにお送りしています。1万を超える観客がニンスタに集まったら行き帰りどれくらいな渋滞になり、公共交通機関で向かうとどれだけ大変なことか、一方、1万人を超える観客が入った場合の熱気と興奮も是非ご体験いただきたいという思いが込められています。J1に昇格するとこの規模以上の来場が隔週ごとに生じることになります。
     http://ehimeole.blog.shinobi.jp/Entry/35/
    ひとりでも多く議員様方にご趣旨をご理解いただき、実際にお運びいただけましたら幸いです。
    最新のアンケートの集計結果は以下になります。
    http://user.shikoku.ne.jp/civa/ehime-ole/20100412anketomatome.pdf

    松山市市議選立候補者の方々へのアンケートの結果公表 (10.05.18)

     サポーターグループを取りまとめていただく形で、愛媛FC市民後援会(EHIME-OLE)から、松山市議会議員の方々に実施されました、「愛媛FCおよびそのホームスタジアムに関するアンケート」の結果が同会のホームページで公表されました。
    「愛媛FCおよびそのホームスタジアムについてのアンケートの結果」

    愛媛FC自体の活動、存在意義といった点については高いご理解をいただいているものの、スタジアムの現状や、国体へ向けた施設整備については情報が不足していると思われ、さらに我々の努力が必要と思われます。この結果を踏まえ、次のステップを皆さんとご相談したいと思います。

    広島サッカー専用スタジアム構想委員会

    あの 広島サッカー専用スタジアム構想委員会さん に大きくお取り上げいただきました。
    http://hiroshima-kop.under.jp/wp/?p=1155
    大変ありがたい記事に感謝いたします。グーグルで「愛媛FC」で検索したときの当サイトの検索結果順位が一気に一桁に迫る勢いです。(前日までは20位台で過去最高が14位でした。) 広島サッカー専用スタジアム構想委員会さんの影響力の大きさを目の当たりにしました。

    大変僭越ですが、2点だけ、関係者の方々からご指摘を受けそうな点をコメントさせていただきます。
    1.国体に向けた施設改修費用が約100億円と報道されていますが、これは総合運動公園全体の施設分のようです。体育館に空調がないなど築30年を経て老朽化が進んでいることもあり、施設維持のための相応な改修はやむを得ないと思われます。陸上競技場だけの金額は公表されていないようですが、想定される工事規模やケーズデンキスタジアム改修の事例などから50億程度ではないかと推測しています。ほんとに100億使われるのであればなにがなんでもフクアリクラスを!と叫びたいところではありますが...
    2.千葉マリンで開会式を行うことになったのは愛媛県による坊っちゃんスタジアム利用検討の前だったと思われます。野球場での開会式開催は国体の長い歴史でも先例が全くなかったことでもあり、愛媛県が検討したこと自体、またその詳細を公表していることは評価されるべきことかもしれません。千葉マリンで実例ができる今、再考されないとすれば非常に問題であると思いますが。坊っちゃんスタジアムが愛媛県でなく松山市の管轄であることも一つハードルかもしれませんが、現在、国体でもっとも人気があり、観客を集める競技は公開競技である野球のようですので、そのためにもカラービジョンを装着するなど国体予算で坊っちゃんスタジアムをさらにグレードアップすることには十分に意味があるものと考えております。

    中央公園の観察(10.04.19)
     私どもが新球技場建設場所の候補のひとつに挙げている中央公園の坊っちゃんスタジアムで年に一度の大イベント、ヤクルトvsジャイアンツ戦が開催されましたのでアクセスや施設の様子など、後学のために観察してきました。写真入りで簡単なレポート 中央公園(坊っちゃんスタジアム)の観察 2010/04/18 にしてみましたのでご覧ください。
     要約しますに、車またはバスでのアクセスには少し改善の余地がありそうなところがあると思われ、また中長期的な改善(外環道路の開通など)も待望されるところで、これらの改善なしで年間20回近く1万人以上の来場があると一般の方々からの苦情が多くでることが想像されます。一方、電車でのアクセスはJRが十分な輸送能力を持っていることがわかりました。なお伊予鉄電車の利用者は徒歩20分の距離が嫌われるためか皆無に近い状況です。(市駅からの合計所要時間は渋滞するバスよりも短いと思われますが)。
     施設については駐車場がやや少ない以外は申し分なく、ひいき目なしいに全国に誇れるものと思います、飲食売店やグッズ売店も十分にこなせていたようです。 強いて言えば、稼働させすぎのためか、天然芝の状態がよくないエリアがあることとビジョンがフルカラー動画を流せないことがマイナス点でしょうか。国体で近年、一番人気があるのは公開競技である硬式野球だそうで、昨年新潟でも2万数千人来場の試合があったようです。是非、国体開会式の開催とともに、国体の補助を活用して、人工芝化、フルカラービジョンの導入などをご検討いただき、坊っちゃんスタジアムをさらに全国的にメジャーにしていただきたいものです。その隣に、われわれが思い描く新球技場の設置候補場所の一つがあります。このすばらしい総合スポーツ施設に球技場がないのはまさに画龍点晴を欠く、ものだと思いました。

    Jリーグのスタジアム基準とは?
    以下、リンク先が早晩なくなると思われますので、文章ごと貼り付けさせていただきます。
    ———–
    ニンスタ改修“イエローカード” Jリーグ「大幅変更を」 国体向け県計画 観客の快適性「不足」(2010.4.13 愛媛新聞朝刊)
    県が3月に発表した2017年の愛媛国体に向けた県総合運動公園ニンジニアスタジアムの改修基本設計に対し、同スタジアムを公式戦で使用するJリーグが「現在のスタジアムの基準も満たしていない」とし、観客の利便性向上のため大幅な見直しを求めていたことが12日までに、分かった。
     Jリーグのスタジアムプロジェクトの関係者が4月上旬に同スタジアムを訪れ、バックスタンドにトイレや売店がない▽入場ゲートに屋根がない▽一部の場所で照明の光量不足―などの不備を指摘。バックスタンドにピッチが見えやすい傾斜をつけるなど、観客の快適性を考慮した設計変更を求めた。リーグ関係者は「計画のままなら愛媛FCは将来、Jにいられなくなる可能性もある」としている。
     県の計画では本年度、同スタジアムの実施設計に入り、11年度に着工する予定。固定席を約2万1千席に増設、メーンスタンドの屋根と天然芝の更新などを行う。
     Jリーグは、スタジアムなどのインフラ整備やクラブの財務状況などに厳しい基準を設け、審査する「クラブライセンス制度」を12年に導入する計画。スタジアム基準についても、10年後までに検査項目を大幅に増やす方針を示している。
     Jリーグ幹部は「国体のためだけの改修という概念を見直してほしい。改修費用を有効に使うためにも、プロの興行に適した利便性を追求すべきだ」と話している。
     県教育委員会保健スポーツ課の田中仁志国体準備室長は「今後、Jリーグ側ともっと協議し情報を集めないといけない。予算の問題もあるが、できる限り(要望を)盛り込んでいきたい」としている。(久賀大輔、和田亮)
    ———–
    ここで言われている「現在のスタジアム基準」とは?というご質問をいただきました。おそらく、
    http://www.j-league.or.jp/document/jkiyaku/ に公開されています、
    スタジアム検査要項[2010年度用] ではないかと思われます。(2,100円で購入可能です)
    上記の記事にあります指摘事項に該当する項目がみられます。
    スタンドの傾斜については特に具体的な規程はないようにみえますが、「どの座席からもピッチが見渡せる」というのはお金を払って観るものですから当然、「競技性、ゲーム性が十分にわかるように見渡せる」と解釈すべきということでしょう。
    それよりもなによりも、去年のダービーくらい来場があると、[IV.アクセス関係 1.駐車場 (1) 一般用:公共交通機関が充実していない場所では、収容人数に見合う台数の駐車場を確保すること]という条件が一番厳しいのではないでしょうか。毎年1回のa-nationでは自家用車完全禁止、シャトルバスのみのようですが、その場合、[1. (11)シャトルバス用:シャトルバスを運行する場合は、シャトルバスのバスプールを設置すること、3.シャトルバス乗降所:シャトルバスを運行する場合は、バスの行先別に待機列スペースがある乗降所を設置すること]が要件となりそうです。今年はラス前、第37節がジェフユナイテッド千葉との対戦で、おそらく昇格が絡む可能性もあり、J1なみのアウェイ側動員が予想されます。なんとかまた「帰りのバスがなかった」といった書き込みがブログに溢れるという事態は避けていただきたいものです。

    なお、これらの基準の中には、以前は明文化されていなかった項目もあるようで、
    競技場検査要項[2009年度用]
    県からすると「聞いてなかった」というところもあるものと思われますが、今後永く使うことが前提の改修でしょうから、過去を振り返っていても仕方がないわけで、最新の基準、また今後想定される改正があればそれらも勘案して計画を、というのが今回の指摘ではないでしょうか。観客の快適性や満足度向上を目指さないとチームが成り立たないわけですから、改修計画全体の抜本的な見直しが始まることを期待します。

    松山市市議選立候補者の方々へのアンケートについて (10.04.13)

     サポーターグループを取りまとめていただく形で、愛媛FC市民後援会(EHIME-OLE)から、この度施行されます松山市議会議員選挙への関心、市政への関心を、愛媛FCのサポーターとして高めるとともに、候補者の皆さんの愛媛FCやスタジアム問題に対する意識や関心度お伺いし、サポーターはもちろん、広く有権者の皆様にお伝えするため、愛媛FCおよびそのホームスタジアムに関するアンケートが実施されることになりました。
     アンケートの内容については下記のPDFファイルをご覧ください。
     アンケートー愛媛FC・ホームスタジアムについて

     なお、この質問事項のなかで参照している資料は以下でご覧になれます。
     http://www.jsgoal.jp/11mpark/ranking/rating.php 
     これはJリーグのファンで実際に各地のスタジアムを訪れている人たちが、ホーム・アウェイ問わず、実体験に基づいて採点したもので信頼性は高いと思われます。このなかで「アクセス」だけの点数ではJリーグの開催実績のある全国71のスタジアム中、64番となっており、ほかに同程度の順位にあるのは年に1~2度しかJリーグの試合が開催されてこなかったスタジアムばかりです。要するに全国のJリーグ開催地では最悪の立地・アクセスともいえるでしょう。こんな立地のスタジアムに何十億かけていいんでしょうか?またJ1仕様にしていただくとのことですが、現状のアクセスのまま、たとえば1万人の来場(動物園とあわせると最低1万5千人)が実際に可能でしょうか?

     回答をいただきましたら、順次、本サイトにも掲載してまいります。なお、このアンケートにつきましては4月13日付の愛媛新聞朝刊でも取り上げられていますので是非ご覧ください。

    パブリックコメントの回答が公表されました (10.04.06)
     予想されたことではありましたが、残念ながら結果はゼロ回答でした。
    公の施設(指定管理者施設)のあり方の見直し(案)に寄せられた意見と県の考え方

    せっかくこういった場を設けていただいたわけですから、たとえば工事期間中の対策など、懸念されていることに今少し具体的なご回答をいただきたかったという想いもあり、引き続き関係各方面への問いかけを継続していきたいと考えています。ここで諦めたら10年先、いや50年先まで後悔しそうな気がします。

    また、たまたま時期が重なっただけ、とは思いますが、この回答の直前に、県からの発表がありました。(2010年度予算で実施設計に入りますという宣言でもあると思いますが)
    ニンジニアスタジアム改修 愛媛国体準備委員会 
    (RNB Online News 2010-03-24・17:21 そのうちにリンク先が消えると思いますので勝手ながら引用させていただきます。)
     2017年の愛媛国体開催に向けた準備委員会が開かれ、ニンジニアスタジアムなどの改修方針などが報告されました。
     県庁で開かれた準備委員会には加戸知事などおよそ40人の委員が出席し、2017年の愛媛国体で実施される競技や開催地について話し合われました。委員会では開会式など4種目の競技が行われる県総合運動公園について、およそ100億円をかけ2015年度末までに改修を終えることが報告されました。このうち、陸上競技の会場となるニンジニアスタジアムはトラックを2レーン増設する他、芝生席をすべて個席にし、大型電光掲示盤を設置します。これにより今後、Jリーグ・J1の試合も開催可能になるということです。一方で、水泳や馬術など5つの競技については開催地が未定となっていて、委員会では他県での開催を視野に調査研究していくことにしています。

    公の施設(指定管理者施設)のあり方の見直し(案)
    に対する意見の募集について
     (10.3.28)
    愛媛サポートクラブではスタジアム問題に関して愛媛県の考え方を問う、
    めったにない機会と考えましたので、表記のパブコメに応募しました。
    その内容のPDF版はこちらです。

    -----------------------------------------

    【スタジアム問題全般に関する情報と考察】

    まえがき以下、長々と資料・データを集めていますが、冒頭に要点をまとめます。これらは公開されている情報のみを元にしているため、すでにいろいろと検討がなされているなか、的外れになっている議論があるかもしれないことをあらかじめご了承ください。また本連絡会では十分な一般の来場が見込める立地での新スタジアムについて議論する動きを始めたいと考えていますが、これはあくまでクラブからは独立した一般県民・市民としての活動であることにご注意ください。

    現スタジアムの問題点:
     (1) 周辺人口の少なさ
     (2) 公共交通機関、駐車場、道路環境などアクセスの不便さ
     (3) フィールド競技観戦に適さないスタンド
        (メインスタンド以外の高さ・傾斜不足)
    主に上記3つの理由で現在のスタジアムで大きく来場者数を伸ばすには無理があると考えられます。これは同様な環境を持つ他のクラブと比較しても明らかと思われます。立地、アクセスと施設を合わせ見ると現在のスタジアムは全Jクラブ内でワーストと言えると思います。また立地・アクセスのよい場所にあるスタジアムがクラブの発展に直結していることは明らかです。

    国体との関係:
    上記のうち(3)はお金をかけて改修工事を行えばある程度改善されますが、(1)と(2)は現在の場所である以上、いかんともし難い問題です。2017年の国体に向けて改修計画作成が進んでいるようですが、他県の同様な事例(立地・アクセスの悪い場所にある立派な施設)を鑑みると現在の立地での投資の費用対効果は低く、国体後の活用につながらないと思われます。他県では国体への改修費用を抑制する例が出始めています。国体のための施設整備は国が一部負担してくれるため、この機会に県内唯一の第1種陸上競技場として向こう30年程度維持するための改修を行うのは必要と考えますが、それ以上の投資は抑えて、その抑えた分を他に活用する案を提言できればと思います。昨今の経済環境ではこの国体関係事業は限られた公共事業の一つとして県内経済に与える効果も期待されていると思われますので、単に削減するのではなく、その後の経済効果につながる使い方を、という考え方です。

    新球技場を:
    現スタジアムへの投資を抑えた分で、立地・アクセスに優れた場所に球技場をつくることを提言したいと思います。もちろん同時にクラブやサポーターの努力が必要ですが、以下にあげる候補地のような場所に球技場ができれば、来場者、経済効果ともにゆうに倍、3倍となる可能性が高いと思われます。そのためには地域に全国区のプロスポーツクラブがある効用を今一度訴え、そのクラブが安定して存続するためには新スタジアムが必要であることを県全体の皆さんにご理解いただく必要があります。費用的にはJ2基準であれば上述の「抑えた分」でなんとか必要な施設が作れるものと思われます。J1昇格となれば経済効果もさらに倍増以上が見込めますので、J1基準に合わせたスタンドの増設などが別途考えられると思います。

    ---以下資料---

    スタジアムの立地環境:

    愛媛FCに関わっておられる多くの方々がスタジアム環境に問題を感じているものと思います。昇格から4シーズン、クラブもサポーターグループもいろいろな取り組みで少しでも多くの方に来場していただくように努めてきましたが、平均来場者数は横ばいのままです。そこで1試合平均来場者数と周辺人口(5km圏内)と比較してみたのが以下のグラフです。一部の例外を除き、ほぼきれいに正の相関を示しています。(例外としては甲府が挙げられます。J1を経験したこと、クラブのさまざまな方策によるところも大きいと思いますが、比較的少ないとはいえ、スタジアム周辺人口は愛媛の約1.5倍、平坦な場所にあり、自転車で来場できる立地です。)
    2009年新加入クラブのなかでもスタジアムの立地環境が似ている富山とはほぼ来場者数が同じとなり、5km圏内人口が倍近い岡山にはかなり水を開けられた状況です。もちろん、クラブの成績や施策による影響もあると思われますが、いかにスタジアムの立地に左右されるかはご覧いただけると思います。愛媛の場合、Jリーグが行っている来場者調査では遠くからの来場者の比率が高いことが分かっていますが、これは逆に見ればスタジアムの足元には十分な背景人口がいない、ということも言えるでしょう。
    昇格争いしたクラブは来場者数が多いことから「クラブが成績を上げるのが先決」という見方もあると思いますが、逆に、「入場料収入が安定しているからこそスポンサー収入も安定し、チーム力も向上する」という見方もあるべきでしょう。

    2009j2-5kmr.jpg

    J1クラブでは収容人員上限のために平均来場者数が頭打ちになってしまうスタジアムがあること(G大阪、柏、千葉など)やクラブによって歴史が大きく異なることもあって、5km圏内人口との相関がJ2ほどはっきり見えませんが現在のニンスタの立地ですとJ1に昇格できたとしてもワーストであることには変わりなく、一方、以下にあげる新候補地であればJ1であっても中位に位置できる立地環境になると思われます。

    2009j1-5kmr.jpg

    もう一つ、スタジアム環境と来場者数の関係を示す資料を挙げます。以下は過去に新規スタジアムが開場した前後の来場者数の推移を示したグラフです。浦和や新潟の現在のような来場者数の背景には埼スタやビッグスワンの存在が大きいことがうかがえます。

     newlyopened.jpg

    さらにもう一つ、立地の優劣としてご覧いただきたい事例は二つのスタジアムを併用しているクラブ、札幌と仙台です。仙台は2009年、ユアスタの改修(芝生の貼り替え)により前半戦を宮城スタジアムで開催しました。

     札幌の例:
      5km圏内人口=
       札幌ドーム約47万人/厚別約35万人
      2009年の来場者数=
       札幌ドーム14,816人(11試合)/厚別7,017人(13試合)
     仙台の例:
      5km圏内人口=
       ユアスタ約34万人以上/宮スタ約10万人
      2009年の来場者数=
       ユアスタ14,164人(11試合)/宮スタ11,792人(14試合)

    札幌ドームは屋根付きのW杯スタジアムということもあり周辺人口差以上の差が来場者数にあらわれているようです。仙台はユアスタでクラブに根付いたサポーターが不便を押して宮スタまで出向くことも多いようですが、繰り返しスタジアムの不要論(宮城スタジアムの問題を考える)が出るほどアクセスは劣悪で、いかに施設がW杯仕様と優れていても、立地が悪ければ活用されない例と思われます。同一クラブ、同一年度の実績によりスタジアム環境が来場者数に直結していることがおわかりいただけると思います。

    2017年 ‐ えひめ国体:

    愛媛経済レポート等の記事によると県は2017年(平成29年)に開催される「えひめ国体」への準備、Jリーグ基準への対応、老朽化対策等を合わせて砥部の総合運動公園の改修を計画、今年度中に基本設計が完了する見込みで、改修計画では陸上競技場のトラックを国体開催基準に準拠し、現在の8レーンから9レーンとする、また愛媛FCの本拠地として、椅子席の増設、メインスタンドの屋根、電光掲示板の新設など、Jリーグ基準への対応、耐震補強工事、さらには体育館、テニスコート、弓道場、テニスコートなどの改修も含まれるようです。当初の計画よりはかなり縮小されたとは言え、おそらく数十億円の投資が行われるものと思います。
    この改修のなかには現在の問題の一つである、バックスタンドが低い芝生席であることも改善点に含まれているはずですので、これはプラスに働くと思われますが、根本的な立地・アクセスの問題が解決されないままでは、Jリーグという地方では最大の動員があるコンテンツを持ってしても来場率は上がらないことが予測されます。ちなみに前述の富山のスタジアムも2000年の国体へ向けて整備されたもので、トラック9レーン、3万人近い収容人員、フルカラー大型ビジョン、メインスタンドの屋根など、愛媛で予定されている改修内容が実現されていますが、愛媛でも盛り上がりをみせたJリーグ昇格初年度にあたる2009年、動員に苦労した跡がうかがえます。現在の陸上競技場は築30年を経ており、今後30年といったスパンで維持するためには国の補助がある国体開催を機に、耐震補強工事などが必要と思われますが、主に国体のためだけの改修項目は必要ないのではと考える根拠を以下に記します。

    そもそも国体に関してはかねてより自治体の負担が重すぎることから見直しの議論があり、「国体改革2003」として大会運営の簡素・効率化のための具体的内容が示されています。

    (「新しい国民体育大会を求めて 国体改革2003」より抜粋)
      6.施設の弾力的運用
     各競技施設については、既存施設の活用に努め、
     施設の新設等は大会開催後の有効活用を考慮し、
     必要最小限にとどめる

    愛媛県においてもこれらの背景を踏まえて、さまざまな検討がなされてきたようで、詳細が以下の資料にまとめられています(2007年公表)。これらの資料は他県の資料に一部引用されているほど非常によく検討されていると思いますが、この後も国体を取り巻く環境は変化し続けているようです。
    えひめ国体マスタープラン
    えひめ国体開会式会場のグランドデザイン 概要

    なお順序は前後しますが、2003年に以下の計画が策定されており、これをベースに国体へのもろもろの流れが始まっているようですが、残念ながら、策定当時、愛媛FCはまだJリーグ昇格が具体的に見えていない時期であり、非常に限られた取扱いになっています。
    愛媛県スポーツ振興計画 スポーツ立県えひめ2017

    このページの下のほうに、過去20年の開催状況の一覧およびそれぞれに関する資料へのリンクをまとめています。決して特定の県の方式を批判したり持ち上げたりするものではなく、他県にはこういう事例があります、ということを確認するためにとりまとめたものです。

    開会式会場について:

    他県の事例のなかで、まず注目したいのは2004年の埼玉で、秋季大会の開会式を収容人数約15,000人の会場で行っていることです。 最も参加数が多いと思われる首都圏での開催でこの収容人数でまかなえたわけです。この開会式の参加人数の推移は※第71回国民体育大会 開・閉会式開場選定 評価調書の3ページにまとまっています。他にも3万人以下の収容人数で開催しているケースはいくつもあります。

    次に注目すべきは、2010年の千葉で、陸上競技場は築40年を経ているため、耐震補強工事などを先立って行っていますが、工法の工夫により、15億円ほどの費用しかかかっておらず、そのまま国体に使用するようです。この工法は建築技術協会の賞を獲得しています。この千葉では、開会式は千葉マリンスタジアムで開催される予定です。上述の愛媛の検討資料のなかでも開会式開催場所の候補として坊っちゃんスタジアムが挙げられていますが、主に入場行進・整列のスペースが不足することを理由に断念されています。行進に使えるグラウンド面の広さという点で、千葉マリンと坊っちゃんスタジアムでは大差なく、千葉マリンで可能であれば坊っちゃんスタジアムで開催できないということはないでしょう。愛媛で、最も立派で、全国にその存在を発信すべき坊っちゃんスタジアムで開会式を行い、陸上競技場への投資を抑えるという選択肢があるのではないでしょうか。(千葉マリンは人工芝、坊っちゃんスタジアムは天然芝、という違いはありますが、a-nationなどで芝の上に大勢の人や機材を乗せた実績もあるわけで、パレットなど敷けば開催できるのではないでしょうか)

    もともと(財)日本体育協会が定める「国民体育大会施設基準」では、「式典会場は、観覧席が仮設スタンドを含み、約3 万人を収容できる施設。屋外の式典会場の場合は、雨天対策用として体育館1」と規定されており、3万人収容が必要なのは開会式だけ、ということでもあります。坊っちゃんスタジアムの収容人数は奇しくもちょうど3万人です。雨天のときには同施設内の武道館(この工法も全国にアピールしたいところです。)が利用できるでしょう。おそらく千葉での開会式場の決定は愛媛県における検討の後であったと思われますが、先行事例ができたわけですから、まだ変更するチャンスがあるのではないでしょうか。

    第1種公認陸上競技場について:

    本項目は陸上競技に関わられている方々にとっては重要な改修とも思いますので、すでに議論が尽くされた上での決定であればサッカーのサポーターグループが異論を唱えるべきではない項目ではあります。また国体における跳躍競技や投てき競技に必要な改修についても同様です。 

    陸上競技場としてみると、ニンジニアスタジアムはすでに一種公認であり、国体だけのためとしたらレーンの増設などが必要かどうか議論が尽くされたかどうか、公開されている資料だけでははかりかねるところです。 国体だから9レーン必要? という点については下記のブログなどを拝見したところ、必要ないのかもしれない、と考える次第です。
    第1種公認陸上競技場 「あれ?8レーンしかないのに日本選手権をやってる」
    ここにあるように2009年にも8レーンしかない広島ビッグアーチで陸上日本選手権が開催されています。一番内側のレーンが傷みやすいから、という点が懸念されるようでしたら、トラックの貼り替えを国体の直前に行えば問題ないのではないでしょうか。そもそも日本陸連の規定では以下の通りで、9レーン化は必須ではないと思われます。前述の千葉でもおそらく8レーンのまま国体が開催されるのではないでしょうか。
    第1種・第2種公認陸上競技場の基本仕様
     既設第1種公認陸上競技場
     [2]1大規模改修・改造時には、トラックの面積に許容のあるときは
       9レーンに改修する。やむをえない場合は8レーンでも可とする。 

    交通渋滞の問題:

    前出のマスタープランでは渋滞の発生が予測され、その解消については「園内への第3の進入路の新設」が必要とされていますが、その後、計画が縮小の方向に進んでいるため、抜本的な改善策がないのではと懸念されるところです。a-nation開催時に匹敵する3万人が来場することを考えると、やはり中央公園のほうが問題なく開催できるのではないでしょうか。

    他県での国体開催状況・予定とメイン競技場:

    年度 開催地  競技場名        収容人数 ウチ芝席 レーン 開場年 
    1989 北海道 札幌厚別公園競技場       20,861         9  1986
        ※国体時には芝生席あり。Jリーグ開催用に椅子席に改修
    1990 福岡県 博多の森陸上競技場       30,000         9  1990
    1991 石川県 県西部緑地公園陸上競技場  20,000         9  1985
        ※国体時には芝生席あり。Jリーグ開催用に椅子席に改修
    1992 山形県 総合運動公園陸上競技場    20,315         9  1991
        ※国体時には芝生席あり。Jリーグ開催用に椅子席に改修
    1993 東四国 鳴門総合運動公園陸上競技場 20,441  6,100 8  1971
    1994 愛知県 瑞穂公園陸上競技場        27,000        9  1941
        ※1994国体のため改修
    1995 福島県 あづま陸上競技場         21,000 14,000  8  1995
    1996 広島県 広域公園陸上競技場        50,000        8  1992
    1997 大阪府 長居陸上競技場           50,000        9  1964
        ※1996国体のため改修
    1998 神奈川 横浜国際総合競技場        72,327        9  1998
    1999 熊本県 県民総合運動公園陸上競技場 32,000        9  1998
    2000 富山県 総合運動公園陸上競技場     28,494 バック下 9  1993
    2001 宮城県 宮城スタジアム                49,133       9  2000
    2002 高知県 春野総合運動公園陸上競技場  25,000  8,500 9  1987
        ※1998国体のため改修
    2003 静岡県 小笠山総合運動公園スタジアム   50,889        9  2001
    2004 埼玉県 熊谷スポーツ文化公園陸上競技場 15,392        9  2003
        ※開会式はも先の競技場で。(夏季大会は文化ホールにて)
    2005 岡山県 総合グラウンド陸上競技場      20,000  4,400 9  1957
        ※2003国体のため改修
    2006 兵庫県 総合運動公園ユニバー記念競技場 60,000        9  1985
    2007 秋田県 中央公園陸上競技場         22,000  9,324 9  1984
    2008 大分県 大分スポーツ公園総合競技場    40,000         9  2001
    2009 新潟県 鳥屋野潟公園新潟スタジアム    42,300         9  2001
    2010 千葉県 総合スポーツセンター陸上競技場   30,000 20,000 8  1966
     ※総合スポーツセンター陸上競技場再整備事業(全日本建設技術協会賞)
    2011 山口県 維新百年記念公園陸上競技場 未確認         9  1963
     ※建替中。費用主競技場80億円、補助競技場6億円
     ※再評価項目調書 維新百年記念公園 都市公園事業
    2012 岐阜県 長良川陸上競技場          31,000 バック上  9  1991
     ※改修中。費用15.5億円補助競技場分含2009/04/07,建通新聞(中部版)
    2013 東京都 東京スタジアム               49,970        –  2001
     ※トラック、補助競技場未整備
    2014 長崎県 総合運動公園陸上競技場     20,000        9  1969
     ※建替え予定。費用約100億円
     ※長崎国体メーン会場の競技場完成図を公表 Jリーグ基準など満たす

     ※県立総合運動公園新陸上競技場・整備基本構想(案)
     ※県立総合運動公園新陸上競技場(仮称)整備基本設計
    2015 和歌山 紀三井寺運動公園陸上競技場  24,000 10,000 9  1964
     ※改修予定。33億円(補助競技場分含む)
     ※和歌山県公共事業事前評価システム 妥当性評価 紀三井寺運動公園
    2016 岩手県 北上総合運動公園陸上競技場  22,000 15,800 9  1997
     ※第71回国民体育大会 開・閉会式開場選定 評価調書
    2017 愛媛県 愛媛県総合運動公園陸上競技場 21,585 10,980 8  1979
     ※公の施設(指定管理者施設)のあり方検討調査表 総合運動公園
     ※平成20年度事務事業評価表

    2018 福井県 未定                      
     ※第1回国体ビジョン策定委員会
    2019 未定                           
    2020 未定                         

    なお、2011年の山口や2014年の長崎では陸上競技場が築40年以上(ニンスタは築30年)と老朽化していることもあって同じ敷地に建て替えられます。施設整備の詳細な情報が上記リンクに掲載されています。それぞれ費用は約80億、約100億円とのことです。それぞれの県でJリーグ入りを目指しているクラブがJリーグに昇格した場合にメインスタジアムとなる予定のようですが、市街地から比較的近い山口は別にして長崎は周辺人口、アクセス、駐車場などの条件は厳しいようです。昇格後に愛媛と同様、動員に苦労しなければよいのですが...

    芝生の貼り替え問題/スタンド改修工事中の開催:

    前述の仙台の事例でもう一つ注目していただきたいのは、動員数が大幅に落ちることが分かっていながら、芝生の貼り替えのために前半戦、ユアスタを閉鎖せざるをえなかったことです。北国であること、スタンド部に屋根があるために日照がさえぎられることなど、愛媛とは条件が異なるとはいえ、国体への改修のなかに含まれていると思われる芝生の完全貼り替えをシーズンオフの3か月間だけで完了するのは難しいはずで、仮に無理に行ったとしても芝の根付きが悪く、今年の大分のように試合開催が危ぶまれるような可能性も考えられます。代替となる競技場が県外にしかないため特に懸念される問題です。過去には横浜三ッ沢球技場が芝生の貼り替えを急いだ(5月から8月に実施)ためにその後の状態がすぐれず、開催に支障をきたしたような例もあります。

    またスタンドの改修はJリーグ開催期間中も含め、部分ごとに閉鎖しながら時間をかけて行うことが予想されますが、水戸や岐阜の例では完全に閉鎖して改修工事が行われていることからも、工事期間中に本当に支障なく開催できるものか不安なところです。

    新スタジアム構想:

    町田や長崎のように現状J2基準を満たすスタジアムがなく苦労している地域からみれば、ネーミングライツまで適用されたスタジアムがあることは非常にありがたいことですが、クラブの収支における入場料収入の割合をみるまでもなく、このままの来場者数ではクラブの発展は非常に難しいと思われます。2010年に昇格する北九州も愛媛の倍近い周辺人口があることから、来場者数では簡単に抜かれてしまう可能性があります。クラブの経営規模が伸び悩むと早晩、J2のクラブ数が満席の22になりJFLとの入れ替えが始まると、毎年降格の危機にさらされる可能性があります。一度分配金やスポンサーを失うと次にJリーグに這い上がるのは非常に難しくなることが予想されます。
    本連絡会では十分な一般の来場が見込める立地での新スタジアムについて議論する動きを始めたいと考えています。なお、これはあくまでクラブからは独立した一般県民・市民としての活動であることにご注意ください。

    3つの候補地:

    具体的には以前より話題に上っている堀之内の旧陸上競技場・競輪場跡地が立地的にベストであることは言うまでもありません。ここですと5km圏内人口は約37万人で、仙台、湘南を上回るレベルになり大都市圏を除くと全国J2クラブで最上位に位置します。単純比例計算では1万人以上の平均来場が見込めます。ただし堀之内は国有地であることから、いわゆる上物の建造費に加え土地の使用料の支払いが国に対して必要と思われます。ガンバ大阪の新スタジアム計画でも土地使用料負担が問題となっているようです。また、ここは工事のために地面を掘ると必ずと言っていいほど遺跡が出るとされ、仮に工事までこぎつけても予定通り進まない可能性があります。(岡山でも同様な事情があり、遺跡を保護する目的で、建物を鉄骨基盤にして軽量化をはかった他、遺跡から発掘された調度品と県内のスポーツ選手の資料を集めた展示コーナー「遺跡&スポーツミュージアム」を併設しています。)実際、以下の整備計画完成予想図を見る限り、スタジアムを作れそうなスペースはないかもしれません。新潟ビッグスワンなどのように大きな費用をかけて上物を見映えよくすることはできないでしょうから、お城山に絡む景観論争が起こる可能性もあります。一方で、近年、苦戦が続いている模様の中心市街地の活性化につながることが期待されます。松山市が推し進めるフィールドミュージアムの一角を担うことにもなるでしょう。
    城山公園(堀之内地区)第1期整備の完成に向けて

    もう一つの候補地は市内から空港へ向かう途中の南江戸の中央浄化センターの未使用部分です。長らく遊休状態のままとなっており、浄化容量がひっ迫しているという話もないようですので、浄化センター増築の可能性は低いものと思われます。敷地面積としてはちょうどベストアメニティスタジアムがおさまるくらいで、松山市の特別会計下の土地であることから、「世論の後押しがあれば転用も」、と希望が持てる場所です。ただ、細い道路をはさんで住宅街が隣接していることから、騒音・照明、渋滞などに関して反対の声が上がる可能性が高く、また、駐車場スペースがほとんど取れないこともマイナスです。(JR松山駅および伊予鉄松山市駅のいずれからも徒歩圏ではありますが。)。ここでも堀之内とそん色なく、5km圏内人口が35万人程度あります。これら二つの立地については広島市民球場のサッカー専用スタジアムへの転用を検討されている方のブログで、「坂の上の雲の下スタジアム」の候補地として示されています。県外の方ですがとても鋭い指摘が満載で、かつ、希望が湧くスタジアムの完成予想CG画像も作っていただき公開されていますので、ぜひご覧ください。

    もう一つ 、立地的にはやや中心街を離れますが、松山市中央公園のエリア内のどこか、という案もあります。ここでも5km圏内人口は30万人近くと、十分な水準です。JR市坪駅(3分)、伊予鉄余戸駅(18分)から問題なく歩ける距離であり、駐車場も十分に備え、国道56号至近、将来外環状道路ICからも直結とアクセス面では全く問題ないでしょう。スタジアムへの輸送能力という点で鉄道に勝るものはなく、平均的な郊外電車車両の定員が1両あたり130人程度、通勤時の混み具合とすると250人程度乗れるとして、(特に開催日に増発や増結していただければ)JRと伊予鉄合わせて軽く4~5千人の足になることでしょう。残る敷地は限られていますが、うまくおさまれば、新設に必要な費用は上記2か所よりかなり低く抑えることができるものと思います。

    土地が確保できたとしても上物の建築費(フクアリ81億円、ベアスタ97億円と言われます)が出るわけないでしょう、という声もあると思いますが、必要なものだけに絞り込み、将来の拡張性を残しつつ、当初は一部仮設的な施設とするなどで、冒頭に述べた「陸上競技場の改修を抑えた分」の費用で設立が可能ではと情報集めに動いています。実際、柏レイソルがJリーグに昇格した際にJ1仕様は満たしていませんが、日立柏サッカー場の改修にかかった費用は20億円、スタンドの大半を建て替えたNACK5スタジアム(J1仕様)の費用は約40億円、だったとの報道があります。将来に向けて費用対効果の低い陸上競技場への投資を抑えていただいた分を国体でも活用できる新球技場へ振り向けるという提案をできればと思います。ユアスタなどのようにラグビーもできる総合球技場とすることで2019年ラグビーW杯の際のキャンプ地に立候補することもできるのではと思います。(その際、競輪場の選手宿泊施設も使えるかもしれません。)また2018もしくは2022のサッカーW杯の招致に成功した暁にはキャンプ地への立候補へと期待が膨らみます。(いまだに2002年に中津江村がキャンプ地であったがゆえにその名前が全国区になり、いまだに多大なPR価値を生んでいることはうらやましい限りです。

    今後、これらの立地や施設の情報、比較などを掲載して、皆さんに議論いただければと考えています。
    少し古いですが関連する特集の映像がyoutubeに掲載されていますのでリンクを置きます。この映像に含まれるJR松山駅裏については再開発計画がほぼ確定しているそうですので、上記候補地には含めていません。
    特効薬はあるか 愛媛FCの集客

    なお気の早いお話ではありますが、ドリカム=千葉国体のように、えひめ国体大会イメージソングはSuperflyにお願いしていただきたいものです…それで新球技場でコンサートもぜひ。その分の費用も「仕分けて」捻出できればと。